刺身にわさびを付ける人は多いですが、「わさびを醤油に溶かすか、上にのせるか」は好みによって分かれます。
ですが、どちらか一方は日本の作法ではマナー違反になってしまうことをご存知でしょうか。
本記事では、こちらについて解説していきます。
わさびを醤油に溶かすのは和食のマナー違反になる
結論から申し上げると、わさびを醤油に溶かす行為は日本文化である和食においてはマナー違反だとされています。
マナー違反になってしまう理由としては、①寿司や刺身ごとに最適なわさびの量があるにもかかわらず、醤油に溶かしてしまうと調整ができない、②わさびの風味を最大限味わうことができないの二点です。
これらは、生産者・調理師の「本当に美味しい状態で食べてもらいたい」という心遣いに対して、反している行動としてみなされます。
他にも、醤油皿にわさびがこびりついている様は決して美しいとは言えず、「美しさ」を重んじる和食の世界では良いこととされません。
そのため和食の世界では、原則わさびを醤油に溶かす行為はマナー違反とされています。
わさびの合わせ方は時と場合によって使い分ける
ですが、わさびを醤油に溶かして食べた方が美味しいと思う人が多いのは事実。
実際、刺身にわさびを乗せて食べる派は約56%と過半数を占めているのに対して、醤油に溶かす派も40%と多い割合を占めています。(Jタウンネット調べ)
なので、ここまで一般的になったわさびの扱い方について、マナー違反だからといって禁止するのはよくありません。
したがって、わさびの合わせ方は時と場合によって使い分けることをおすすめします。
例えば、ご家庭や居酒屋などで自由に食べる時には、それぞれの好みに合わせたわさびの付け方をする。対して、寿司屋などで和食文化を楽しむ際には、和食のマナーに則ってわさびはのせて食べるようにすれば問題ありません。
和食文化に則った食事の時だけは、マナー違反にならないよう醤油に溶かさないことを意識しましょう。
それでも「わさびは醤油に溶かさないと美味しくない!」という方は…?
ですが、和食を食べる時でも「どうしても醤油に溶かして食べたい」という方は、正直にその意思を伝えるべきです。
近年の訪日外国人観光客の増加と和食文化の人気の高まりを受けて、高級寿司屋などでもマナーに寛容な店は増えています。
結局は食は楽しんだもの勝ちなので、自分が一番美味しいと思う食べ方をするべきだと思いますよ。
・わさびを醤油に溶かす行為は日本文化である和食においてはマナー違反
・理由は、①寿司や刺身ごとに最適なわさびの量があるにもかかわらず、醤油に溶かしてしまうと調整ができないため ②わさびの風味を最大限味わうことができないため
・和食文化に則った食事をする際には、マナー違反にならないよう醤油に溶かさない方がいい
・それでも醤油に溶かしたい方は、正直にその意思を伝えたほうがいい