なぜ外来魚の増加は問題とされるのか【生態系バランスの崩壊】

外来魚イメージ 雑学
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生物の多様性や自然の保護が世界中でうたわれはじめた1990年以降、外来魚(外来種)による問題が注目されています。

これは日本も大きな問題になりつつありますが、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、外来魚が増加する問題と原因、そして代表的な日本の外来魚について解説していきます。

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外来種・在来種とは

外来魚回収いけす

まず、外来種と在来種について解説します。

外来種とは元々はその地域に生息していないが、その他の地域から入ってきた生き物のことを指します。この定義は、国外・国内関係なく本来生息していた地域の外から来た生き物を広く「外来種」とされています。

一方、在来種とは古くからその地域で生態系の一部として生きてきた生き物のことを指します。

そして、今回ピックアップしているのは外来種/在来種の中の魚類、外来魚/在来魚です。

外来魚の増加が起こす問題

在来魚イメージ

それでは本題に入ります。

外来魚が日本国内で増加することによる一番の問題、それは生態系のバランスが崩壊してしまうことです。

川や湖では、魚を始めとした多くの生き物が生態系のバランスを保ちながら生息しています。

そこに外来魚が入り込んできた場合、エサを求める外来魚は在来魚の食べ物や在来魚そのものを捕食します。

こうなると元々良いバランスで成り立っていたものが崩れ、食べるものが無くなった在来魚は絶命するか捕食されることしかできません。

そして最終的には、在来魚を捕食対象としていたその他の生き物や私たちの食卓に並んでいた在来魚が、その地域から姿を消してしまいます。

このように、外来魚が入り込んでくる→食べるものが無くなった在来魚Aが絶命する or 在来魚Aが食べられる→在来魚Aをエサとするその他の生き物にも影響を及ぼす、といった負の連鎖が、外来魚の到来によって発生してしまうのです。

さらには、この負の連鎖は外来魚の増加に伴い全国に拡散するので、最終的に在来魚の絶滅に繋がる可能性もあると言われています。

この流れは日本だけで発生するものではないので、外来魚問題は世界中が抱える決して軽視できない事柄となっています。

日本で確認されている代表的な外来魚

そんな外来魚は日本で多数確認されていますが、特に数が多く被害が大きい種を紹介します。

ブラックバス

ブラックバス

外来魚の代表ともいえるブラックバスは、オオクチバス属に属する淡水魚の総称です。あくまでも総称であるため「ブラックバス」という魚は存在しません。

該当種としてはオオクチバスやコクチバスが有名ですが、広く「ブラックバス」といえばオオクチバスを指すことが一般的です。

「バス」と称させることも多いブラックバスはアメリカを原産とする魚で、現在日本各地の淡水域に分布しています。

その大きな口で捕食するエサは魚類・昆虫類・爬虫類など様々で、その地域の在来魚を片っ端から食べていく肉食魚です。

もともとは生息地域が限られていましたが、ルアー釣りの人気高まりに伴って全国に一気に拡散しました。

今でも釣りの対象として人気が高いブラックバスですが、釣り上げた後の再放流を禁止する地域もあるので、被害を広げないためにもルールを遵守する必要があります。

ブルーギル

ブルーギル

ブルーギルはアメリカ南東部を原産とする淡水魚で、現在日本各地の河川・湖・沼などに生息しています。

捕食対象は植物、昆虫類、貝類、動物性プランクトンだけでなく、魚類や魚類の卵もエサとする雑食性

そのためブルーギルが侵入した地域は、幼体・成体の魚とその卵が狙われることにより在来魚が激減するケースも少なくありません。

加えて、一度に2万〜3万もの卵を産むほど繁殖力も高く、一度の放流でその地域の生態を崩壊させることも可能です。

釣りの対象とされることも多いので、釣り上げた際には取扱いに注意するようにしてください。

ブラックバスやブルーギルの無許可飼育は違法

ここで、外来魚について注意すべきことを紹介します。

それは、外来魚の中でも「特定外来生物」として認定された魚を無許可で飼育することは禁止されていることです。

特定外来生物とは、外来種のうち在来種の生態系や人類への害を及ぼす生き物のことで、例えば魚類では、先述したオオクチバスやコクチバス、ブルーギルなど20種以上が指定されています。

特定外来生物を仮に釣り上げたとして、無許可で飼育した場合は法律で罰せられることを知らない人がとても多いです。

ですが、「知らなかった」では済まされないので責任をもって対応することが求められます。

また、飼育の許可はそのほとんどが研究目的の飼育であり、いち個人に対して許可が出る可能性はかなり低いと言われています。

原則「特定外来生物の飼育はできない」と認識しておきましょう。

外来魚は人間の手によって移動する

魚釣りをしている人

このように大きな問題の原因となる外来魚ですが、基本的に魚単体で日本国内に入ってくることはできません。また、魚単体で日本国内の川や湖を移動していくことも不可能です。

ではなぜ外来魚が入り込んできているかというと、人間が故意に日本に持ち込み、またそれを他の地域に拡散させているからです。

外来魚の脅威は決して自然の摂理ではなく、人が起こしているものとして認識しておきましょう。

外来魚の被害をこれ以上広げないために

しかし、全ての外来魚が有害かというとそうではありません。魚だけではなく広く「外来種」を対象とすると、良い影響をもたらす生き物もいるのが事実です。

しかし、現在の生態系は守っていかなければなりません。

そのためこれ以上バランスを崩さないためにも、

・不必要に外来魚を日本に持ち込まない
・釣りなどで捕まえた外来魚は他の地域に放流しない
・飼育している外来魚を野外に逃がさない

こちらの三点をそれぞれが気を付けていけば、少なくとも問題の進行は遅らせることができます。

今いちど外来魚の脅威と守るべき行動を認識し、大好きな日本の魚を守っていけるように協力していきましょう。

 

ざっくりポイント
・外来魚が日本国内で増加することによる一番の問題は、生態系のバランスが崩壊してしまうこと
・【外来魚が入り込んでくる→食べるものが無くなった在来魚Aが絶命する or 在来魚Aが食べられる→在来魚Aをエサとするその他の生き物にも影響を及ぼす】といった負の連鎖が、外来魚の到来によって発生してしまう
・日本国内では、ブラックバスやブルーギルが被害の大きい外来魚
・外来魚の中でも特定外来生物に指定されている魚を無許可で飼育することは違法
・外来魚は人の手によってのみ移動、拡散する
・①不必要に外来魚を日本に持ち込まない ②釣りなどで捕まえた外来魚は他の地域に放流しない ③飼育している外来魚を野外に逃がさない、の3点を守ろう
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