カキやアサリ、サザエなど広く人気がある貝類。
浜焼きにはかかせない食材でもあり、好きな人も多いですね。
一方で、貝はあたりやすくきちんと管理しないと危険な食べ物でもあります。
特に夏に関しては貝の管理はより厳重にしなければなりません。
そこで本記事では、夏の貝について解説していきます。
夏の貝は危険?
夏に貝が危険といわれる理由は、主に2点あります。
産卵期を迎える種類が多い
基本的に、貝の旬は栄養を豊富に蓄えている産卵期前とされています。
一方で、産卵期を迎えた貝は栄養を産卵のためのパワーとして消費するため、栄養価が低くなり鮮度の落ちも加速し、食中毒率が高くなります。
そして貝は産卵期を夏に迎える種類が多いので、夏に食べる貝は食中毒にあたりやすく危険と言われています。
もちろん夏が旬の貝もいるので一概にはいえませんが、夏に食べる貝には注意が必要です。
腐りやすい
どの食べ物でも該当しますが、夏は貝が腐敗しやすいです。
魚とは違い、貝は常に冷やしているイメージもないため、常温保存で菌が繁殖することも少なくありません。
夏の貝は特に注意して、丁寧な管理が必要となります。
昔から伝わる夏の貝に関する言葉
夏の貝を食べるリスクに関しては、昔の人々も気が付いていたようで多くの言葉が残っています。
その中でも有名なものを紹介します。
花見過ぎたらカキ食うな
「海のミルク」とも称されるカキは、美味しい反面、食あたりになりやすい貝でもあります。
食用として知られるカキは主に真ガキと岩ガキの2種類ありますが、その中でも世界中で食べられている真ガキは春過ぎに産卵期を迎えます。
この時期の真ガキは産卵に力を使い切るので栄養価が低く、味も落ちやすいです。
同時に鮮度の落ちも加速するため、食中毒にかかる可能性も高くなってしまいます。
そのため、花見が終わった5月以降にカキを食べるのは危険が高いということで、このような言葉が生まれました。
同じように海外では「Rのつかない月はカキを食べてはいけない」という言葉が伝わっています。
1月〜12月の英語で「R」がつかないのは、May,June,July,Augustの5月〜8月なので、まさに真ガキの危険が高い月を指しています。
このように、夏のカキのリスクが高いことは世界の共通認識ということになります。
麦の穂が出たらアサリを食うな
潮干狩りでとれる貝としても有名なアサリ。潮干狩りのシーズンは3月から6月にかけての春です。
この時期に潮干狩りが行われる理由は、アサリが産卵期前で旬を迎えるからです。
対して、麦の穂が実るのは地域にもよりますが、主に初夏である7月上旬。同時に、この時期以降にアサリは産卵期に入ります。
そのため、麦の穂が出始めるころにアサリは産卵に力を使い果たし、栄養価が低く食あたりになる可能性が上がります。
カキ同様、アサリも夏に食べるのはリスクが高いとして、このような言葉が生まれました。
夏が旬の貝
一方で、夏に旬を迎える貝も存在します。
その代表例がアワビで、夏の季語としても指定されるほど。
そんなアワビは秋から冬にかけて産卵期を迎えるので、産卵期前にあたる夏が旬にあたります。
それでも夏の気温で腐敗が早いのは他の貝と変わらないので、旬といえども注意して管理するようにしましょう。
・産卵を終えたあとに、貝は、栄養価が低い、味の劣化が激しい、鮮度の落ちが早いなどの理由で食中毒になりやすい
・夏の貝が危険な理由は①夏に産卵期を迎える貝が多い、②腐りやすいの二点
・「花見過ぎたらカキ食うな」「麦の穂が出たらアサリを食うな」など、昔の人も夏の貝を食べることに警鐘を鳴らしていた
・夏に旬を迎える貝もいるが、腐りやすい点は変わらないので注意が必要