未利用魚とは?定義・種類・問題点・活用方法などを徹底解説

未利用魚-珍しい魚 用語
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みなさんは「未利用魚」をご存知ですか?

海に囲まれた日本にとって魚は切っても切れない食材。

その中でも、未利用魚は近年水産業界の大きな問題として挙げられることが増えてきました。

そこで本記事では、未利用魚について定義や問題点、おすすめ通販サイトなどを網羅的に解説していきます。

ぜひ最後まで読んでいただき、魚好きな日本人が知るべきこの問題を抑えておきましょう。

この記事がおすすめの方

・未利用魚について完全に理解したい方

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未利用魚とは

未利用魚とは

未利用魚とは釣り上げても市場に卸さず廃棄される魚のことです。

主な廃棄理由としては、

・採算が取れる量の水揚げができなかったから
・サイズがまとまっていないから
・魚体に傷が付いているから
・馴染みがなく売れそうにない魚だから

などが挙げられます。

このような理由から廃棄される未利用魚は、日本の魚の総水揚げ量のうち約3割~4割を占めるとされています。

これは約100万トンを超える量になり、日本の養殖収穫量約91万トンと並ぶほどの量であるため、膨大な数の魚が未利用魚として廃棄されていることが分かります。

とはいえ主な廃棄理由を見てもらうと分かる通り、決して「美味しくない」という理由で廃棄されているわけではありません

つまり食べると美味しい価値のある魚なのに捨てられている、というのが未利用魚なのです。

未利用魚の種類一覧

また、未利用魚は「これ」といった種類があるわけではありません

なぜならサイズが小さかったり傷が付いていたりすると、全ての魚が未利用魚として廃棄される可能性があるからです。

したがって、あくまでも全ての魚が未利用魚の対象になり得るということをおさえておきましょう。

しいて言えば、未利用魚として廃棄されることが多く、かつよく耳にする魚は以下のものなどが挙げられます。

・ボラ
・ウツボ
・シイラ
・エイ
・ハモ
・カレイヒラメ類のマイナー種
・タイ類のマイナー種
・サメ類

それでも、例えば「ウツボ」であれば、高知県では名産品として重宝されている魚だったりするため、やはり「未利用魚といえばこの種類」と定義することは難しいといえます。

未利用魚が廃棄されることの問題点

未利用魚

そんな未利用魚を廃棄することによって生じる問題は主に2点あります。

1点目は貴重な水産資源の損失に繋がってしまうことです。

1990年以降の日本では漁獲量が減少し続けており、ピーク時と比較して約3分の1にまで落ち込んでいます。

このような状況の中でも魚大国である日本では需要がなくなることはないので、水産資源がどんどん不足しているということになります。

つまり未利用魚の増加は、ただでさえ不足しつつある日本の水産資源の中で非常に大きな損失に数えられるのです。これが未利用魚廃棄の問題1つ目です。

2点目は漁業従事者の利益減少に繋がってしまうことです。

漁業従事者は魚を漁獲し市場に卸すことで利益を出すことができます。

したがって漁獲した魚を廃棄することは、漁業従事者の収益を減らすことになってしまうのです。

水産業界の人手不足が深刻さを増す中で、利益減少は若者が敬遠する要因の1つとなりかねません。これが未利用魚廃棄の問題2つ目です。

上記2つの理由から、未利用魚の廃棄量を減らすことは水産業界衰退を防ぐうえで必要不可欠なことといえるでしょう。

※未利用魚の廃棄問題については「未利用魚の廃棄問題と活用方法を解説!なぜ捨てられるのか?」で詳しく解説しています。

未利用魚の廃棄問題と活用方法を解説!なぜ捨てられるのか?
採算が取れない・売れる見込みがないといった理由から魚を廃棄する「未利用魚問題」は、近年水産業界の大きな課題として認識され始めました。そこで本記事では「未利用魚の廃棄問題」と「未利用魚の活用方法」を解説しました。ぜひご覧ください。
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事業者ができる未利用魚の活用方法

未利用魚の活用方法

このように未利用魚を廃棄することは、今後の水産業界にとっては大きなマイナスです。

そもそも上述したように、未利用魚は「美味しくない」「食べられない」といった理由で廃棄されているわけではありません。

つまり言い換えれば、未利用魚はいかに活用するかで「廃棄される魚」から「売れる魚」に変えることが可能ということになります。

ここではそんな未利用魚の主な活用方法を紹介していきます。ぜひ参考にしてください。

活用方法①:未利用魚をCtoCプラットフォームで販売する

漁師が未利用魚を廃棄することなく通販サイトや通販アプリで直接消費者に販売することは、最も容易な活用方法です。

市場では売れないような魚でも、全国の消費者と繋がれるプラットフォームなら売れるケースも多分にあります。

加えて価格設定も自らが行えるため、十分黒字になるような価格で販売することも可能です。この際、冷凍加工などの工夫をすればより売れる可能性が上がります。

特に利用者が多いCtoCプラットフォームは「ポケットマルシェ」や「食べチョク」です。利用者が多いのは売れる可能性が高いということなので、これらは販売するうえで抑えておきましょう。

後ほど、おすすめ通販サイトなどを詳しく紹介しているので、ぜひそちらもご覧ください。

活用方法②:未利用魚の新しいニーズを開拓する

「未利用魚はニーズがない」という考えを捨て、新しいニーズの開拓に取り組むことも未利用魚を活用する方法の1つです。

その良い例が武田食品冷凍株式会社が販売している「bau-bau」です。

bau-bauは未利用魚として廃棄されることが多いエイ・ハモ・サメといった魚の高い栄養価に着目し、犬や猫など向けに加工したペット用のエサです。

未利用魚をヒト向けではなくペット向けに販売する、という新しいニーズの開拓は見習うべきマーケティング戦略です。

楽天などの通販サイトでも購入が可能なので、ペットを飼っている方は購入してみることをおすすめします。

活用方法③:未利用魚をブランド化する

ブランド化は最も難しい未利用魚の活用方法ですが、とてもやりがいのあるものです。

手法としては、ある地域では人気が高いがその他の地域では未利用魚として廃棄されている魚を、全国でファンを増やすことです。

例えば岡山県でよく食べられる「ひら」という魚は、小骨が多く食べづらいので未利用魚として廃棄されることが多いです。

しかし、岡山県では「骨切り」という調理手法が古くから存在し、その骨も断ち切って食べてしまうので定番料理として浸透しています。

この岡山県の事例のように未利用魚のブランド化に成功すると、その魚を食べるために観光客を取り込めたり、通販サイトで販売することにも繋がります。

「自分の地域では馴染みがあるが、他の地域では廃棄されている未利用魚」を見つけることができれば、ブランド化の第一歩です。

一般消費者ができる未利用魚削減に向けた貢献

このように、未利用魚はどのように活用するかで廃棄量を大きく減少させることができます。

一方で水産業界に従事する人でない限り、未利用魚の販売やニーズ開拓は難しいですよね。

では消費者の方々ができる未利用魚の廃棄量削減に向けた貢献が何かというと、積極的に未利用魚を購入することです。

確かにタイやアジなどのように、私たち日本人に馴染みのある魚は購入しやすいし食べることに抵抗が全くありません。

しかし再三申し上げますが、未利用魚は決して「美味しくない」といった理由で廃棄されているわけではないのです。

ですが、未利用魚は一般的な鮮魚店やスーパーでは売られていないため、購入することが困難です。

そこで登場する購入手段が、後述するような通販サイトです。

未利用魚が購入できるおすすめ通販

通販サイト利用

多くの場合、未利用魚はニーズが高くないため、人気の高い魚よりも大量かつ安価で購入することが可能です。

しかも見たこともないような魚を美味しく食べられるのは、未利用魚を購入することの楽しみの1つといえます。

そこで、そんな未利用魚を購入できるおすすめの通販サイト・アプリ・サブスクを紹介していきます。

Fishlle!(フィシュル)

最初におすすめする通販サイトは「Fishlle!-フィシュル」です。

こちらは未利用魚削減を目指して、福岡市内のレストランとベンチャー企業がタッグを組んで運営する通販サイトです。

フィシュルの特徴は
・未利用魚を誰でも簡単に扱えるようにミールキットに加工して販売している点
・水揚げした魚をその日のうちに冷凍し、鮮度が良い未利用魚を食べられる点
・仕入れから販売までの全工程を自社でまかなっている点
などがあります。

一度食べた人の90%が「また食べたい」と思うほど、未利用魚を最大限活かした商品を購入できるサイトは、現在フィシュル以外ありません。

「天然国産で鮮度抜群の魚が食べたい」「手軽に美味しい未利用魚を食べたい」「未利用魚の廃棄削減に少しでも貢献したい」とお考えの方には、最適な通販サイトです。

定期便(サブスクリプションサービス)だと、通常よりも安く購入できるのでおすすめですよ。

▼公式通販サイトはこちらのバナーをクリック

食べチョク

次に紹介する通販サイトは「食べチョク」です。

食べチョクは、農家さんや漁師さんなどの生産者から直接農作物や魚を購入できる、人気の高いCtoCプラットフォームです。

「未利用魚」と検索した際に商品数が少ない印象がありますが、格安で大量の未利用魚を購入することができます。

未利用魚を丸々一尾を販売している漁師さんもいれば、干物セットにして販売している漁師さんもいます。

今急成長中の「食べチョク」は、未利用魚普及の大きな後押しになっていくでしょう。

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ポケットマルシェ

最後におすすめする通販サイトは「ポケットマルシェ」です。

ポケットマルシェも食べチョクと同じく、漁師さんの販売する未利用魚を直接購入できるCtoCプラットフォームです。

ここで未利用魚を購入する方法は、検索窓で「未利用魚」や「訳あり」と検索することです。すると現在販売されている未利用魚が表示され、購入することができます。

その中には「未利用魚の干物セット」や「未利用魚の詰め合わせセット」など、販売者によって異なる商品があるので、お好みのものを選択できます。

ひとつ注意が必要な点としては、未利用魚の販売件数がタイミングによって異なる点です。あくまでも漁師さんが売りたいタイミングでの掲載なので、最悪の場合商品がないことも。

とはいえ「どの未利用魚にするか自分で決められる」という点は、CtoCプラットフォームを活用して未利用魚を購入する大きなメリットといえるでしょう。

▼公式通販サイトはこちら
旬の海鮮を直送でお取り寄せ ポケットマルシェ

まだまだ未利用魚を購入できるプラットフォームは少ない

このように未利用魚を購入するプラットフォームはいくつかありますが、まだまだ少ないのが現状です。

今後も未利用魚の廃棄問題は注目され続けるはずなので、より多くのプラットフォームが登場し購入できる基盤が整うことを願います。

※未利用魚が購入できるおすすめの通販は「【未利用魚の購入方法】おすすめ通販サイト・アプリ・サブスクを紹介」でも解説しています。

【未利用魚の購入方法】おすすめ通販サイト・アプリ・サブスクを紹介
本記事では、未利用魚を購入できるおすすめの通販サイト・アプリ・サブスクリプションサービスを紹介しています。ぜひご覧ください。

未利用魚まとめ

いかがでしたでしょうか。

現時点では、「未利用魚を活用すべき」と考える漁師さんや「未利用魚を買いたい」と思う消費者が少ないので、未利用魚の存在はまだまだ浸透していないのが現状です。

しかし日本の水産資源が枯渇し水産業界が衰退していく中で、未利用魚の問題を放置しておくことはできません。

本記事を通して「未利用魚をなんとかするべき」と考える方が増えていければ幸いです。

 

ざっくりポイント
・未利用魚とは釣り上げても市場に卸さず廃棄される魚のこと
・廃棄される未利用魚は日本の魚の総水揚げ量のうち約3割~4割を占める
・未利用魚を廃棄することによって生じる問題は「水産資源の損失」と「漁業従事者の利益減少」の2点
・未利用魚はいかに活用するかによって「廃棄される魚」から「売れる魚」に変えることが可能
・消費者ができる未利用魚削減への貢献は、積極的に未利用魚を購入すること
・未利用魚を購入できる通販サイトはいくつかあるので、そこから購入できる
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