【役割と働き】なぜ魚類は浮き袋を持っているのか?

口から出た浮き袋 雑学
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魚類は基本的に浮き袋を有しており、浮き袋はとても重要な役割を果たします。

そこで本記事では、魚の浮き袋の役割について解説していきます。

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魚の浮き袋の役割

浮き袋のイメージ

魚が持つ浮き袋の役割は、浮き袋の中に気体を溜めたり出したりして浮力(水中である物体を上に押し上げる力)を調整することです。

元々魚には泳ぐことに長けた機能が備わっています。しかし、魚の体は水の密度約1.00g/cm3よりも大きく沈んでしまうので、自由に泳ぐことが難しいです。

そこで魚は、浮き袋内に気体を溜めて浮力を高め水と体の重さを同じくらいに調整し体が沈んでいくのを防ぐことで、上下左右へと自由に水中を泳ぐことが可能になるのです。

この原理は浮き輪を付けると水面に浮かぶことができる人間と同じで、魚も空気の力を借りないと生きていくことに不自由が生じてしまいます。

※魚の浮き袋は漢字で「鰾」と表記されることもあり、「うきぶくろ」とも「ひょう」とも読むことができるので覚えておきましょう。

浮力調整の2つの方法

ですが、水中にいる魚がどういう方法で気体を浮き袋に取り入れるのか気になるところですよね。

魚が浮力調整のために気体を浮き袋に取り組む方法は、2パターンに分かれます。

空気中から直接取り込む方法

1つ目が空気中から直接取り込む方法です。

浮き袋の原型は肺と言われており、肺の名残で浮き袋と消化器官が繋がっている魚を「開鰾魚」といいます。

開鰾魚は水面から口を出して直接浮き袋に空気を取り込むことができるで、原理としては風船と似ています。

ニシン目・サケ目・コイ目などがこれに該当し、一生涯を通して空気の取り込み方が変わることはありません。

ガス腺を介してガスを取り込む方法

2つ目がガス腺を介してガスを取り込む方法です。

産まれた時は浮き袋と消化器官が繋がっているが成長と共に完全に分離する魚を「閉鰾魚」といい、これに該当する種は直接空気を取り込めません。

そこで閉鰾魚は、浮き袋の周囲にある動脈と静脈から成る「奇網」からガス腺という細胞を通してガスを取り込むことで、浮力を調整します。

とても特殊な空気の取り込み方ですが、これを採用している魚はスズキ目やタラ目など多く存在します。

浮力調整以外の浮き袋の働き

ホウボウ

基本的な浮き袋の役割は浮力調整です。

しかしそれ以外を目的として活用している魚も存在し、その代表例が音を出すために浮き袋を活用しているホウボウです。

ホウボウは鳴くことでも有名な魚ですが、この音は浮き袋を振動させて発しています。

他にもヒイラギやイシモチも同じように浮き袋を活用して音を発するので、浮力調整以外で活用している魚は意外と多いことが分かります。

浮き袋を持たない魚

泳ぐサメ

このように浮き袋は魚にとって重要な役割を果たしますが、実は浮き袋を持たない魚類も存在しています

実は浮き袋は硬骨魚類だけが持つ器官で、サメなどの軟骨魚類・ヌタウナギなどの無顎類は浮き袋を有していません。

代わりにサメなどの軟骨魚類は、特殊な油(海水の密度よりも小さい油)を大きな肝臓に溜めることで浮力を得ています。

一方で、硬骨魚類の中でもヒラメやカレイの仲間は浮き袋を有していません。水の底で暮らすには浮き袋は必要ないのです。

浮き袋が有しているが未発達な魚

さらに、浮き袋は有しているが未発達な魚としてはマグロやカツオが挙げられます。

浮力がないマグロやカツオは泳ぐことを止めると沈んでしまうので、寝る時も泳ぎ続けなければいけません。

泳ぎ続ける理由は他にもありますが、浮力を得る手段を持たないがために泳ぎ続ける運命にある、というのも少し残酷に感じます。

※寝る時も泳ぎ続ける魚についての詳細は「【泳ぎながら寝る魚】なぜマグロやカツオは泳ぐことをやめないのか」をご覧ください。

魚の口から浮き袋が飛び出す仕組み

釣り上げた魚

最後に浮き袋に関する話題としてよくあがる、魚の口から浮き袋が飛び出す仕組みについても触れておきます。

特に漁師などがよく見る光景だと思いますが、釣り上げた魚の口から膨らんだものが飛び出ていることがありますよね。

この原理は蓋をしたペットボトルを海に落とすと潰れ、陸に上げると元に戻る仕組みと同じです。

浮き袋もペットボトルと同じく中に気体を含んだ容器なので、水圧の関係で深いところではしぼみ浅いところでは膨らみます。

ですが、魚は浮き袋内の気体を即座に調整することができないので、水深が深いところにいる魚を釣り上げると、急激な水圧の変化で浮き袋が一気に膨らみ口から飛び出してしまうのです。

見た目のインパクトから気味が悪いと思われることも多いこの現象ですが、指で押すと直ることもあるのでそっとしておいてあげましょう。

 

ざっくりポイント
・魚が持つ浮き袋の役割は、浮き袋の中に気体を溜めたり出したりして浮力を調整すること
・魚が浮力調整のために気体を浮き袋に取り組む方法は ①空気中から直接取り込む方法 ②ガス腺を介してガスを取り込む方法の2パターンがある
・ホウボウのように、音を出すために浮き袋を活用している魚もいる
・サメなどの軟骨魚類、ヌタウナギなどの無顎類、カレイやヒラメは浮き袋を有していない
・マグロやカツオは浮き袋は有しているが未発達なので、泳ぐことをやめると沈んでしまう
・魚の口から浮き袋が飛び出すのは、急激な水圧の変化で浮き袋が一気に膨らむ(膨張する)ことによって生じる
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