魚は有名な産地で食べるのが一番美味しいと感じたことはありませんか?
なぜそう感じるかというと、
・水揚げされたばかりの新鮮な魚が食べられるから
・「本場で食べている」という雰囲気によってより美味しく感じるから
・その地域の人々の舌は肥えており、美味しくない店や食べ方は淘汰されていくから
の三点が理由だと思います。
なので、当サイトを通してぜひみなさんに一番美味しい場所で魚を食べていただきたい。
こういう想いから始めた、日本の魚の名産地を紹介するシリーズ。
今回は、青魚の高級魚種「カンパチ」を紹介します。
カンパチといえば鹿児島県
カンパチの名産地といえば、生産量日本一である鹿児島県です。
2017年時点で全国のカンパチ生産量は計35,646tですが、そのうち鹿児島県は18,644tの生産量をほこり、シェアは50%以上を占めています。
さらに天然カンパチが漁獲される主要地域として、高知県・福岡県・長崎県に並び鹿児島県も含まれていることから、天然物と養殖物どちらにおいても名産地といえます。
ブランド紹介
カンパチの名産地である鹿児島県では、地域ごとの特色を活かしたカンパチの生産が盛んです。
それぞれブランド化にも成功しているので、紹介していきます。
海の桜勘【垂水市】
海の桜勘(うみのおうかん)は、垂水市の「垂水市漁業協同組合」が生産しているカンパチです。
特徴としては、鹿児島県産のお茶を配合したえさで育てている点。お茶を使用することで、通常のカンパチよりも鮮度の持ちが良くなったことに加え、コレストロールの減少・ビタミンEの増加・生臭さの減少につながり、より質の高い養殖カンパチのブランド化に成功しました。
今では鹿児島県を代表するブランドのひとつとなり、全国各地の飲食店でも人気の高いカンパチとして知られています。
また、垂水市では毎年ゴールデンウイークに「垂水カンパチ祭り」を開催しており、カンパチの掴み取りや解体ショー、一本釣り体験などができる、まさにカンパチの聖地ならではの祭りです。
海の桜勘を求めて垂水市を訪れる際には、祭り開催時期を狙って行くのをおすすめします。
かのやカンパチ【鹿屋市】
かのやカンパチは、鹿屋市の「鹿屋市漁業協同組合」が生産しているカンパチです。
鹿屋市はバラを市の花と認定していることに加えて、バラ園として日本最大級の面積を誇る「かのやばら園」を有しており、「バラの市」として知られています。
これを活かし、かのやカンパチはバラの花びらを配合したえさで育てられているのが特徴です。バラの花びらにはポリフェノールが含まれているので、生臭さ減少・鮮度持ちの長期化に繋げることができます。
市の特産を活かして育てられたかのやカンパチは、ブランド化にも成功し鹿児島県を代表するカンパチとなりました。
その他ブランド
他にも鹿児島県には、指宿市で生産されている「いぶすき菜の花カンパチ」や、南大隅町根占で生産されている「ねじめ黄金カンパチ」などのブランドがあります。
ここまで紹介したカンパチのブランドはどれも、鹿児島県産の優れた水産物が獲得できる「かごしまのさかな」というブランドに認定されています。
同じカンパチでもそれぞれ独自の特徴を有しているので、違いを楽しんでみてはいかがでしょうか。
カンパチといえば鹿児島県となった背景
カンパチが鹿児島県の名産地となった背景には、鹿児島県の立地が大きく関係します。
カンパチは寒い水温を好むブリとは違って高い水温の海域を好み、日本における生息地は本州中部よりも南となります。
その日本において、鹿児島県は沖縄の次に南に位置する県であり、鹿児島湾は平均水温約22℃と高い水温の海域です。
そのため、鹿児島県はカンパチを養殖するには最適な水温であることから、カンパチの養殖の発展を後押ししました。
カンパチのおすすめの食べ方
鹿児島県ではカンパチを活用した郷土料理はありませんが、名産地で食べるからこそより美味しく感じることはできます。
そこでぜひ現地で食べて欲しいカンパチの食べ方を紹介します。
刺身
寿司ネタでも人気が高いカンパチは、刺身で食べても絶品です。
鹿児島県は水産物が豊富な地域であるため、刺身定食などを提供する店が多数あります。
そういった店の多くで鹿児島名物であるカンパチを食べることができるので、まずはカンパチの刺身を食べることをおすすめします。
漬け丼
鹿児島県内には名物カンパチの漬け丼を提供する店が点在しています。
その中でも、JR鹿児島中央駅から徒歩3分の場所に店舗を構える「づけ丼屋 桜勘 鹿児島店」が有名です。
店名にもある通り質の高い漬け丼を提供している店で、カンパチの漬け丼も人気のメニューとなっています。
それ以外でも美味しいカンパチの漬け丼を提供している店は多数ございますので、鹿児島県を訪れた際にはぜひ食べてみてはいかがでしょうか。
おすすめの時期
カンパチは通年水揚げがあり、かつ養殖のカンパチは一年を通して生産されているので、どの時期でも美味しいカンパチは食べることができます。
ですが、カンパチが一番美味しい旬は7月~10月の夏ごろであるため、より美味しくなるこの時期がおすすめです。
特にカンパチの旬は天然物と養殖物どちらも美味しくなるので、鹿児島名物である桜島の夏の一大イベント「桜島火の島祭り」に合わせて観光するのをおすすめします。