多くの魚が持っている「苦玉」というのをご存知ですか?
苦玉は潰せば刺身や料理が台無しになることもある、いわば地雷のような存在です。
本記事では、この苦玉について解説していきます。
魚の苦玉の正体
苦玉とは消化器の一部で、魚の「胆のう」のことを指します。
胆のう自体は人間にもある消化器ですが、人間の胆のうを苦玉と呼ぶことはなく、特に魚の胆のうだけが苦玉と称されます。
なぜ苦玉と呼ばれているかというと、文字通り食べるととても苦いからです。
胆のうの役割は肝臓で作られた胆汁を溜めておくことですが、この胆汁が強い苦みを持つ液体であるため、魚の苦玉も非常に苦みのあるものとなっています。
苦玉を潰すとどうなるのか
魚をさばく際には、腹を切って内臓を取り除く作業が必要になります。
この作業を行う際に誤って苦玉を潰してしまうことが多いのですが、潰してしまうとせっかくの魚を台無しにしてしまう可能性があります。
なぜなら、苦玉の汁は一度身に付着すると苦みを取り除くことが難しいからです。
もし苦玉を潰してしまった際は、一秒でも早く水で流す処置が必要となり、洗い流すまでの時間が長くなればなるほど苦みは身に浸透します。
せっかく購入した魚を無駄にしないためにも、苦玉に注意してさばくこと、そして潰してしまったらすぐに流水処置をすること、の二点を心がけましょう。
料理の中で潰してしまうと後戻りできない
さばいている段階で苦玉を潰しても早急な処置でなんとかなります。しかし、もし完成した料理の中で潰してしまうと元には戻りません。
例えば、内臓の処理が甘く苦玉を取り除いていない状態で魚の煮付けを作ったとしましょう。
その煮付けの中で苦玉を潰すと、つゆに苦汁が浸透して不味くなってしまいます。
内臓を食べることができる魚も多いので、内臓を使った料理を作る際には必要以上に注意することをお勧めします。
苦玉の取り除き方
苦玉は胆のうなので、肝臓と繋がっています。
魚の場合、苦玉や肝臓は頭とエラの近くにあることが多いので、頭を落とす時にはできるだけギリギリを狙って慎重に刃を入れましょう。
また、内臓の中から見つけるまでは慣れが必要ですが、基本的に赤やピンク色の臓器に混ざっているので、緑色の丸い物体は目立っています。
切り落とす際には、間違って苦玉を傷つけてしまわないように、慣れるまでは周辺から切り落とすことをおすすめします。
さらに、腹を裂いて内臓を取り出す際には、力を入れて苦玉を潰してしまわないように根元から内臓全体を引っ張り出したあとに、苦玉のみを摘出しましょう。
・苦玉は魚の胆のうのこと
・強い苦みを持つ汁を含んでおり、潰してしまうと魚に付着して不味くなる
・魚をさばいている時に潰してしまったら、一秒でも早く流水処理をして苦汁を落とす
・苦玉は頭の近くにあるので、頭を切り落とす時と腹を裂くときには注意が必要