魚の面白い生態を紹介!【寝ながら泳ぎ続けるマグロ】など!

面白い生態を持つ魚たち 雑学
この記事は約10分で読めます。

約25,000種類も地球上に存在する魚は、面白い生態を持つ個体がたくさんいます。

そこで本記事では、その中でも私たちに親しみのある魚の面白い生態をいくつか紹介します。

ぜひ最後までご覧ください。

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面白い生態1:寝ながら泳ぎ続けるマグロ【せわしい人生】

泳いでいるマグロ

マグロは寝ている時も泳ぎ続けるという、変わった生態を持つ魚です。

ですがこれは「寝る時も運動していたい!」という風変わりな欲望から出た行動ではなく、命を存続させるために必要な習性なんです。

本来多くの魚はエラ呼吸といって、エラを開閉させて酸素を取り込む呼吸法を採用しています。

しかしマグロはエラが開閉しないため、エラ呼吸をすることができません。

その代わりに「ラムジュート換水法」という、泳いでいる時に水と一緒に口から飲み込んだ酸素をエラに送り込む方法でマグロは呼吸をします

そのため寝る時に止まっていては水を飲み込むことができないので、寝ている間でも泳ぎ続ける必要があるのです。

加えて、マグロは浮力を調整するために多くの魚類が持っている「浮き袋」が発達していません。

なので泳ぎ続けていないと沈んでしまうという点も、寝ている時も泳ぐことを辞めない理由の1つです。

エラ呼吸もできず、浮き袋も発達していない魚として生まれたマグロは、産まれた瞬間から慌ただしい人生を送る運命にあるのですね。

※他にもカツオ・サバ・イワシなども同じく、寝ながら泳ぎ続ける習性を持ちます。詳しくは以下の詳細記事をご覧ください。

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面白い生態2:イソギンチャクに住むクマノミ【毒が怖くない?】

カクレクマノミとイソギンチャク

イソギンチャクは「刺胞」と呼ばれる毒のとげを発射するため、ほとんどの魚は近付くことができません。

しかしディズニー映画『ファインディング・ニモ』でもお馴染みのクマノミは、そのイソギンチャクに住むという面白い生態を有しています。

ではなぜクマノミはイソギンチャクの毒に刺されないのでしょうか。その理由は、クマノミの体から分泌している粘液に秘密があります。

イソギンチャクが毒を発射するにはある条件があり、それが海水よりもマグネシウム濃度が低いものだけを対象として発射するというものです。

対してクマノミの粘液は海水よりもマグネシウム濃度が高い液体で構成されているため、イソギンチャクが毒を発射する条件に該当しないのです。

この理由から、クマノミは外敵が近付いてこない環境であるイソギンチャクの中に身を置くことで、自身が食べられるリスクを防いでいます。

一方でイソギンチャクも、クマノミに住んでもらうことで「クマノミのエサのおこぼれを食べられる」「成長速度が上がる」などのメリットがあります。

このように異なる生き物がお互いのメリットのために依存しあって生きている状態を「相利共生」というので、合わせて覚えておきましょう。

※魚の相利共生はクマノミとイソギンチャク以外の魚でも多く確認されています。詳しくは「こちら」をご覧ください。

※より詳細なクマノミとイソギンチャクの関係を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

【相利共生】なぜクマノミはイソギンチャクの毒に刺されないのか?
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面白い生態 3:群れで泳ぐイワシ【リアルなスイミー】

イワシの群れ

水族館で圧巻の泳ぎを見せてくれるイワシの群れですが、なぜ単独行動ではなく集団行動をするのでしょうか。

その理由は、子供に大人気の絵本『スイミー』にヒントが隠されているので紐解いていきましょう。

スイミーの主人公は、赤色で小さな魚の家族の中に1匹だけ黒い体で産まれた特異な存在でした。

ある日スイミーの家族は大きな魚に食べられてしまい、一匹だけ取り残されたスイミーは海の中を一人寂しく冒険します。

そんな中、スイミーは家族と似た赤い魚の群れに出会いますが、その家族は「食べられてしまうのが怖い」という理由で岩陰に隠れてひっそり暮らしています。

そこでスイミーは「みんなで集まって大きな赤い魚のフリをして、体が黒い自分が目になる」ことを提案し、大きな魚を追い返すことに成功します。

まさにイワシが群れとなって行動する理由もスイミーと同じで、1匹1匹では弱く食べられてしまうイワシも、集まれば大きな固まりとなって外敵を驚かせることができるのです。

さらに群れになればその中から自分が食べられる可能性を少しでも減らすことができるのも、大きなメリットです。

漢字表記では魚へんに「弱」と書くように、単体では弱い存在のイワシでも、集まれば大きな魚に太刀打ちできるのです。まさに多勢に無勢ですね。

※イワシの群れについての詳細は、以下の記事をご覧ください。

【スイミーから学ぶ】なぜイワシは群れで泳ぐのか?
水族館でも名物となるイワシの群れですが、なぜイワシは群れを形成する習性があるのかご存知でしょうか?この理由は、有名な絵本『スイミー』を読み解くと理解することができます。詳しくは記事をご覧ください。
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面白い生態 4:膨らんで針を立たせるハリセンボン【可愛い威嚇】

膨らんだハリセンボン

ハリセンボンが針を立たせるのは丸く膨らんだ時だけで、通常時は体に沿った状態で寝かせています。

このように膨らんで針を立たせるのは主に外敵への威嚇を目的としています。

体の膨らませ方は、水を大量に飲むことで水風船のように大きくします。この際に皮膚がピンと張るので、針の根元が引っ張られる形で鋭く立たせます。

さすがにハリセンボンを餌とする魚でも針を飲み込もうとは思わないので、このように変化させることで外敵に食べられることを防いでいるのです。

ですがハリセンボンの針には毒がないので、そのまま食べてしまう魚もいます。その際は潔く飲み込まれるしかありません。毒さえあれば、ですね…。

補足ですが、ハリセンボンは漢字表記で「針千本」と書きますが、実際は350本~400本ほどしか針をもっていません。

実際に針を1,000本集めるためには、ハリセンボンが3匹ほど必要ということになります。

※ハリセンボン自身は威嚇しているつもりでも、人間からみると愛らしい姿に見えてしまいますよね。より詳細を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

【千本は嘘?】ハリセンボンの針の数は合計何本なのか
ハリセンボンといえば、丸く膨らんだ時に出てくる針が特徴的ですが、実際に名前の通り合計千本あるのでしょうか?気になる方も多いと思いますので、本記事ではこちらを紹介致します。

面白い生態 5:必ず生まれ育った川に帰って来るサケ【ふるさとへの想い】

母川回帰するサケ

サケは川の上流で産まれたあと豊富なエサを求めて海へ渡り、大きくなったのちに故郷の川に戻ってきます。

このようにサケが産まれた川に戻ってくる行動を「母川回帰」といい、未だ理由は判明していませんが確実に戻ってくることができます。

ではなぜ産まれた川に戻ってくるかというと、海よりも川の方が産卵に適しているからです。

海で産卵した場合、淡水魚であるサケの卵はその質量や数が海水に適していないため成体になる前に多くが死んでしまいます。

加えて川の上流は外敵も少なく、卵が襲われる確率も下がります。このような理由から、わざわざ生まれ故郷に返ってくるのです。

ですが「母川回帰」をすることは、クマや人間に捕獲される・途中で病気にかかるなど、大きなリスクを伴います。

そのため、海に出ていったサケが無事帰って来られる確率は1%以下ということが分かっています。これは100匹のうち1匹帰って来られるかどうかです。

産卵のために大きなリスクを背負って海と川を行き来するサケの勇気は、称賛に値するといえるでしょう。

※サケの「母川回帰」についてより詳細を知りたい方は、以下の記事を参照ください。

【母川回帰】なぜサケは海へ移動したあと、また産まれた川に帰ってくるのか?
サケが持つ習性として、川で産まれ海へ渡り、海で成長した後に再び川へ戻ってくることは有名です。 しかしほとんどの魚が、海水か淡水どちらかだけで生涯を終えるにもかかわらず、なぜサケは海水と淡水をまたぐ大移動をするのでしょうか。...

面白い生態 6:子孫を残すために寄生・吸収されるチョウチンアンコウのオス【命を懸けた子づくり】

チョウチンアンコウの模型

深海魚であるチョウチンアンコウのオスは、魚類の中でも珍しい生態を持つことで有名です。

チョウチンアンコウのオスはメスの約10分の1ほどのサイズしかなく、チョウチンアンコウのシンボルである光る提灯も持っていません。

このようにメスよりも弱いオスは、子供を産むためにメスの体に寄生し最終的に融合・消滅する人生の最期を迎えます

繁殖期が近くなるとオスはメスを見つける旅に出て、広い深海の中から無事見つけ出すことができたらメスの体に噛み付きます。

するとオスの口とメスの皮膚が徐々に融合をはじめ、徐々に目・ヒレ・内臓の退化と精巣の発達が進みます。

この時点で既にオスはメスの体の一部となっているため、メスの栄養を受け取れる状態となっています。

そして最終的には、メスの産卵時期に合わせて放精する「精子バンク」としての機能しかもたない外部臓器となって生涯を終えます。

このような衝撃的な結末を自ら進んで取りにいくオスの目的は、繁殖期を逃すことなく確実に交尾するためと言われています。

チョウチンアンコウが住む深海は広く暗いので、一度離れてしまうともう一度探し出すのが非常に困難です。

したがって、一度見つけたメスとはぐれないためにオスが選択したのが、寄生→融合という行動でした。

非常に珍しいチョウチンアンコウのオスのこの生態は、覚えておいて損はないでしょう。

※オスに対するメスの冷酷な対応についてなど、より詳細なオスの寄生と融合を知りたい方は以下をご覧ください。

【メスと融合?】チョウチンアンコウのオスが迎える末路とは
チョウチンアンコウのオスの人生の終わりは衝撃的かつ興味深いものです。そこで本記事では、そんなオスの衝撃的な人生の末路について解説しております。ぜひご覧ください。
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面白い生態 7:子供を育てた後に命を落とすタコのメス【偉大なる母】

タコ壺に隠れるメス

自分の命を捨ててまで子供を育てるタコのメスは、まさに偉大なる母といえます。

タコのメスはオスと交尾をして受精した後、外敵に襲われないように自分の体がぴったり入る穴を見つけて、その天井に卵を産み付け壮絶な子育てが始まります。

海の中は常に外敵の脅威にさらされているため、穴に入った母タコは卵のそばで食事もせずに守り続けます

その期間はタコの種類にもよりますが、真ダコであれば約1か月間、ミズダコであれば半年以上もその状態を続けることになります。

さらに、母タコは卵の成長を手助けするために水や酸素の供給、卵についたゴミの掃除など、常に忙しく動き続けます。

また、ウツボなど外敵が侵入してきた際には卵を守るために自分が盾となって戦います。この時、エサを食べず体力が落ちてボロボロになっている母タコでは負けてしまうこともあります。

このような母タコの努力がついに身を結び、卵のふ化の時が来て子供たちが広大な海に出ていくのを見送った後、全ての気力を使い果たした母タコは誰の目にもとまらない場所でひそかに息を引き取ります

子孫を残すため、そして可愛い子供たちを守るために文字通り死ぬ気で戦う母タコは、非常にかっこいいと思いませんか?

※オスとの出会いから知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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面白い生態 8:空を飛ぶトビウオ【海のグライダー】

トビウオ

トビウオは漢字で「飛び魚」と表記されるように、空を滑空しながら飛ぶことを得意とする珍しい魚です。

その飛行距離は約300m~500ほどにもなり、海上3m~6mの高さを飛行することができます。

トビウオが飛べるのは、翼の役割を持つ長い胸ビレと、飛びあがる際に海面を叩く尾ビレを活用しているからです。

離水の要領はグライダーとほとんど同じで、トップスピードで海面ギリギリを泳いで加速したあと尾ビレで海面を叩いて空中に出て、あとは胸ビレと腹ビレを広げて風に乗ります。

あくまでも滑空なので鳥などのように羽ばたくことはできませんが、着水寸前で再度尾ビレを叩きつけて浮上することもできます。

このように空を飛ぶ理由は天敵から身を守るためです。トビウオは泳ぎが他の魚と比べて遅いため、空に逃げる選択肢を取った優秀な魚なのです。

※苦手な分野で無理に生きていかないというのは、私たち人間にも活かせる考え方ですね。詳細は以下の記事をご覧ください。

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トビウオといえば、大きな羽を開き海上を勢いよく飛んでいる姿を思い浮かべる方が多いと思います。これは他の魚にはない特徴で、まさに海のグライダーという愛称が似合います。 しかし、魚であるのになぜ飛ぶことができるでしょうか。そも...

面白い生態 9:船に並走して泳いでくれるイルカ【打算的なあいさつ?】

船に並走するイルカ

厳密にはイルカは魚類ではなく海生哺乳類ですが、魚と同じく海に住む生き物であるため紹介します。  ※海生哺乳類については「こちら」をご覧ください。

イルカウォッチングをしたことがある方はご存知かもしれませんが、イルカは船を見つけると飛び跳ねながら近付いてきて船と並走することがあります。

この行動は私たちにあいさつをしてくれているように見えることから、イルカウォッチングの醍醐味の1つとなっています。

しかしこのイルカの行動はあいさつをしてくれているのではなく、実は船が作る波に乗って楽して泳ぐために並走しているのです。

船は前方に水を押し出しながら進むため、船の周りには前方方向の波が発生します。

つまりこの発生した前向きの波を利用することで、イルカは泳ぐ力を節約しながら泳ぐことができます。

この船の波を利用して泳ぐ際のエネルギーは、波に乗らずに泳ぐときに比べて約15%~20%も節約できると言われています。

残念ながら、あいさつに来てくれているのではなく、むしろ利用されているんですね。

※一方で近付く理由はあいさつをするためという説もあります。詳しくは以下の記事をご覧ください。

【イルカがついてくる理由】なぜイルカは船に並走して泳ぐのか?
海のレジャーとしても人気が高いイルカウォッチング。 イルカの群れが船に近付いて歓迎してくれる様は、非日常を感じられて楽しめます。 ただ一点疑問なのが「なぜイルカは船に寄ってきて挨拶してくれるのか」ではないでしょうか。 本記...

まとめ

いかがでしたでしょうか。

魚の数だけ生態がありそれぞれが独特で面白いですが、その中でも私たちに身近な生態のみをピックアップしました。

これを機に魚に興味を持っていただき、当サイト内で多くを学んでくれる人が増えていけば幸いです。

雑学をまとめた記事もあるので、ぜひこちらもどうぞ!

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