【母の偉大さ】タコの命をかけた卵の守り方と人生の最期とは?

魚の雑学
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我が子は命をかけて守りたいもの。それは人間だけでなく多くの生物に共通します。

タコも例外ではなく、子を守るための母親の行動は目を見張るものがあります。

本記事ではそんなタコの卵の守り方、そして卵を守り抜いた先にある母親の最期について紹介していきます。

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メスをかけたオスダコの戦い

タコの生殖活動はオスがパートナーを見つけるところから始まります。

人間と同じく一匹のメスに対してオスは一匹しか認められません。

なので、父親に立候補したオス同士激しい戦いを繰り広げ、勝利したオスのみが父親候補となります。

腕が切れても傷ついても戦いを辞めないその様子は、文字通り子孫を残すための命をかけた戦いです。

タコの生殖活動

タコの交尾のことを「交接」といいます

戦いに勝利したオスダコは、8本の腕のうち右から3本目の腕(交接腕)で精子を入れたカプセル(精莢:せいきょう)をメスの体内に持っていく求愛行動をとります。

この精子をメスが受け入れ、体内の卵子と合わせることがタコの交接となります。

見た目だけで言うとオスが精子をプレゼントしているようになりますが、列記としたタコの生殖活動です。

タコの母親の卵の守り方

受精したあと、母親は外敵に襲われないよう自分のサイズにあった穴を見つけてそこに卵を産みます

卵は穴の天井からぶらさがるように産み付けられ、その姿かたちが写真のような藤の花に似ていることから「海藤花(かいとうげ)」と称されます。

さて、ここからがタコの母親の壮大な子育ての始まりです。

海の中は外敵の脅威が常にあり、油断してしまうと我が子を食べられてしまいます。

したがって穴に入り卵を産んだ母タコは、その穴からひと時も出ずに卵を守り続けます

マダコであればその期間なんと1か月。ミズダコであれば半年以上もその状態を続けます。

そのため母タコはエサを食べることができませんが、背に腹は代えられない。子供のために身を犠牲にします。

卵の成長を助ける行動

また、卵を穴で守っている間に何もしていないわけではありません。

卵の成長を手助けするために、水や酸素を吹きかけたり、卵に付着するゴミを取り除いたりと常に動き続けます

さらに、穴に入っているとはいえ外敵の侵入が全くなくなるわけではありません。

卵を狙って侵入してくる外敵がいれば、自分が盾となって卵を守り追い払います

エサも食べず体がボロボロになっているため、残念ながら負けてしまうこともあります。

しかし、それでも諦めずに立ち向かう母親の背中はとても大きく見えるのではないでしょうか。

卵を守り抜いた先にある母親の最期

そして無事卵が育ちついにふ化の時が来ると、卵から出た子供はすぐ広大な海に繰り出していき、それを母タコは見送ります。

では全ての子供を見送ったあと、母親はどうなるのか。

エサも食べず全ての気力を使い果たした母タコは、誰の目にもとまらない場所で人知れず人生の最後を迎えます

悲しいことに子供たちの成長を見届けることはできません。

しかし、母タコの人生の意義は子供を立派に育て送り出すこと。それを達成した母タコは、後悔は全くないはずです。

親ダコの子供に対する愛

このように、タコは自分を犠牲にして子孫を繁栄させることに人生の全てを捧げているわけです。

これは生物として遺伝子にプログラムされた機械的な作業ということもできますが、そこに子供に対する親の愛情がないとは到底思えません。

母タコの子供を守るその姿勢は、親の鏡といえるのではないでしょうか。

 

ざっくりポイント
・受精したメスダコは、卵を外敵から守るために穴を探してそこで育てる
・外敵に襲われる隙を作らないように、母タコは穴から一歩も出ずにふ化まで卵を守り続ける
・無事ふ化した子供を見送った母タコは、力尽き死に至る
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