ケチな理由じゃない!フグの刺身が薄い理由とは?

ふぐ刺し 魚の雑学
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猛毒を持つ危険な魚でありつつ、高級魚として人気が高いフグ。

特にフグの刺身(通称:ふぐ刺し)は絶品で多くの人の舌をうならせており、テレビでも多く取り上げられています。

大きな丸い皿に、皿模様がはっきり見えるほどの薄い刺身が並べられている様は、まさに菊の花を彷彿とさせるほど美しいですよね。

しかしふぐ刺しを見るたびに、なぜあんなに薄く切っているのかと気になる方は多いのではないでしょうか。

「高級魚だから薄くして損を減らす」というケチな理由で薄くしているわけではなく、そこには列記とした理由があります。

そこで本記事では、フグの刺身が薄い理由を解説していきます。

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ふぐ刺しが薄い理由は、身の質が大きく影響している

その他の魚の刺身と比較して明らかに薄すぎるふぐ刺しですが、これはフグの身の質が大きく関わってきます。

フグといえば、大きく丸く膨らんでいる姿を思い浮かべる人が多いと思います。

膨らんでいる状態は、外敵から身を守るための防衛行動であり、「体を大きくすることで威嚇をする」「天敵が自身を飲み込めない大きさに変化する」の二点が主な目的とされています。

フグはこの状態に体を変化させるために、他の魚には存在するあばら骨がありません

あばら骨は内臓を守る役割をしますがフグは有していない。そこで、内臓を守る役割を他の魚よりも硬い身でカバーしています

なぜふぐ刺しは薄いのか

あばら骨の代わりに弾力を付けたフグの身は非常に硬いため、厚くしてしまうと噛み切れなくなってしまいます

ですがフグは高級魚なので、せっかくなら噛むよりも味わうことに集中してもらいたい。

ここから、フグを刺身にする場合は皿の模様が透けるほど薄いものとなりました。

決して、ケチな理由で薄く切っているのではなく、そこには口にする人を第一に考えた理由があるということです。

ふぐ刺しは職人の技があってこそなし得るもの

一般的な刺身は「切る」といいますが、フグの刺身の場合は「引く」といいます。

これは、フグを刺身にする時、ひといきで手前に引きながら薄く切ることに由来しています。

また、ふぐ刺しはその他の刺身よりも格段に薄くすることが求められるため、ふぐ刺しを造ることに特化した「ふぐ引き包丁」というものまであります。

例えマグロやアジなどを刺身状に切ることができても、フグを刺身にすることは容易ではありません。

よって、上等のふぐ刺しを造れるのは職人の技あってこそ。芸術と呼んでも差し支えないといえます。

高級な刺身であるふぐ刺しは簡単には手が出ないものですが、一度贅沢をしてみるのも良いかもしれません。

職人が織りなす芸術の世界に酔いしれること間違いなしですよ。

 

ざっくりポイント
・ふぐ刺しが薄い理由は、フグの身が硬く噛みきれないため
・フグは天敵から防衛行動として体を膨らませるため、あばら骨がない
・あばら骨の代わりに、身を硬くすることで内臓を守っている
・せっかくの高級魚であるフグを食べるのであれば、噛むことよりも味わうことに集中してもらいたいという優しさがある
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