【サメとの違い】チョウザメがサメの仲間ではない理由を解説

チョウザメの正面 魚の雑学
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名前を冠しているのに、その仲間に分類されない生き物は多く存在します。

そのひとつが、サメと名前が付いているのにサメの仲間ではない「チョウザメ」です。

ではなぜ、チョウザメは「サメ」と名前がついているのか?サメとどこが違うのか?

本記事ではこちらを解説していきます。

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チョウザメはサメの仲間ではない

チョウザメ

チョウザメは名前に「サメ」と付いていますが、サメに分類されない魚です。

ではなぜ「サメ」という名前なのかというと、少し短絡的にも感じますが「蝶々に似た鱗を持っていること」と「見た目がサメに似ていること」から名付けられています

チョウザメの鱗は独特で、拡大してみると形が蝶々に似ています。また、体全体の形がサメに類似しています。

ここから蝶々の「チョウ」と「サメ」が当てられ、「チョウザメ」となりました。漢字表記もそのまま「蝶鮫」です。

チョウザメとサメの3つの大きな違い

チョウザメとサメの違いはたくさんありますが、目立って異なる点を3つ紹介します。

チョウザメは硬骨魚類、サメは軟骨魚類

1点目の違いは、生物学上の分類が異なる点です。

骨格の大部分が硬骨(硬い骨)で構成されている魚類を「硬骨魚類」といい、大部分が軟骨(柔らかい骨)で構成されている魚類を「軟骨魚類」といいます。

そして、サメは軟骨魚類であるのに対して、チョウザメは軟骨魚類に分類されます

サメの仲間は例外なく軟骨魚類に分類されるので、硬骨魚類に該当するチョウザメはサメではないということになります。

チョウザメは浮袋がある、サメは浮袋がない

2点目の違いは、浮袋を持っているかどうかです。

魚類は水中の浮力を補助するために浮袋を持っていることが多いですが、サメは浮袋を持っていません。

ですが、サメに該当しないチョウザメは浮袋を有しています。こちらもサメの仲間ではない根拠となります。

チョウザメには腎臓がある、サメには腎臓がない

3点目の違いは、腎臓を有しているかどうかです。

サメは腎臓を持っていないのでアンモニアを体外に排出できず、身から独特なアンモニア臭がします。

対してチョウザメは腎臓を持っているので、体内で生成されたアンモニアを体外へ排出できます

これにより身が臭くならないので、ほとんど全身を美味しく食べられるのがチョウザメの特徴のひとつです。

チョウザメの面白い生態

チョウザメの顔

「サメ」と付きながらサメの仲間ではないだけでも面白いですが、さらに独特な特徴がチョウザメにはあるので紹介します。

海水魚ではなく淡水魚

サメと付くので海水魚というイメージが強いですが、チョウザメは川で産まれる淡水魚です。

川の上流で産まれた後、海もしくは湖へと下りそこで成長します。

その後、成体となり卵を授かったチョウザメは産卵のために川の上流まで遡上し、そこで卵を産みます

これはサケに類似しており、サケと同じように淡水魚に分類されます。

2億5千年以上存在する「生きた化石」

さらに驚かされるのが、チョウザメは最大3億年以上もの太古から存在している古代種で、シーラカンスと同じ「生きた化石」と称されます

シーラカンスは現代では見かけるのは非常に困難な存在ですが、チョウザメは馴染みがあるので感動してしまいます。

このように例外が多く当てはまるチョウザメだからこそ、長い時間生きてこられたのかもしれません。

キャビアはチョウザメの卵

キャビア

補足ですが、世界三大珍味のひとつ「キャビア」とは、チョウザメの卵を塩漬けしたものです。

全身を美味しく食べることができ、さらに卵も世界中から愛されているチョウザメは、グルメにとって欠かせない存在であるといえますね。

 

ざっくりポイント
・チョウザメは名前に「サメ」と付いているが、サメの仲間ではない
・「蝶々に似た鱗を持っていること」と「サメに似ていること」からチョウザメと名前が付いた
・チョウザメは硬骨魚類である点、浮袋を持っている点、腎臓がある点でサメと異なる
・チョウザメは淡水魚に分類され、川の上流で卵から孵化する
・約3億5千年以上前から存在する「生きた化石」
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