初鰹と戻り鰹の違いを解説!同じ魚で何が異なるのか?

鰹 魚の雑学
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カツオ(鰹)には1年に2度おいしい時期があり、それぞれ「初鰹」と「戻り鰹」と称されます。

ここまでは有名な話ですが、それぞれの具体的な違いを聞かれてしまうと困ってしまいます。

そこで本記事では「初鰹と戻り鰹の違い」をテーマに、旬の時期・味の特徴・見た目・栄養価の4点を解説します。

最後までご覧いただき、鰹についての知見を深めましょう!

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初鰹と戻り鰹の違い①:旬の時期

かつお

初鰹と戻り鰹の違い1点目は、旬の時期です。

詳しく見ていきましょう。

初鰹の旬

初鰹の旬の時期は春から初夏で、春の味覚として親しまれています。

鰹は太平洋をエサを求めて回遊しており、一年中場所を移動しながら生活する魚です。

そのうち、春から初夏にかけて鹿児島沖~北海道へと北上している鰹を「上り鰹」といい、その中でも4月上旬~6月頃にとれるものが「初鰹」と呼ばれます

戻り鰹の旬

戻り鰹の旬の時期は初秋ごろで、8月下旬~10月頃に該当します。

北上していた鰹は8月末ごろから南下を始め、その時期に獲れる鰹が「戻り鰹」と呼ばれます。”北上から戻ってきた鰹”であるため、このような名称が付けられました。

地域によって多少異なりますが、漁獲量のピークは9月頃で、10月後半以降徐々に捕れなくなります。

そのため、戻り鰹は食欲の秋を代表する食材のひとつとして親しまれます。

初鰹と戻り鰹の違い②:味

箸でつまんだカツオ

初鰹と戻り鰹の違い2点目は、身の味です。

同じ鰹でも別の魚に感じるほど味わいや脂のノリが変わってくるので、ポイントを押さえていきましょう。

初鰹の味

初鰹はエサ場を求めて北上を始めたばかりの時に水揚げされるため、体に脂肪があまり付いていません。そのため脂のノリが少なく、さっぱりとした味わいが特徴です。

また赤身部分が多くを占め、身の色は鮮やかな赤い色をしています。

さらに身には弾力があり、モチモチとした食感が楽しめます。

戻り鰹の味

戻り鰹はエサを十分に食べて南下を始める時期に水揚げされるため、脂のノリがよく、こってりとした味が特徴的です。

その脂のノリと濃厚な味わいから、「トロ鰹」という名称でも親しまれています。

初鰹と戻り鰹の違い③:見た目

かつおの見た目

初鰹と戻り鰹の違い3点目は、見た目です。

初鰹と戻り鰹は慣れてくると、さばく前の見た目で見分けることができます。

上述したとおり、えさを求めて北上するタイミングで捕れるのが初鰹、えさを食べて脂肪を蓄え南下しているタイミングで捕れるのが戻り鰹です。

そのため初鰹は比較的小さい個体が多く、戻り鰹は比較的大きい個体が多いのが特徴です。

しかし群れの違いやその年の気温の違いなどによって、初鰹が大きい場合や戻り鰹が小さい場合もあるので注意しましょう。

初鰹と戻り鰹の違い④:栄養価

切ったカツオ

初鰹と戻り鰹の違い4点目は、栄養価です。

初鰹と戻り鰹は、たんぱく質や脂質の含有量が若干異なります。

たんぱく質の違い

たんぱく質の含有量は、初鰹が約26g(100gあたり)、戻り鰹が約25g(100gあたり)と、両者で約1gしか違いがありません

「初鰹は戻り鰹よりも高たんぱく」とよく言われていますが、実は大きな差はないことが分かります。

カロリーの違い

カロリーに関しても、初鰹が約110kcal(100gあたり)、戻り鰹は約165kcal(100gあたり)で、50kcalほどの違いしかありません

こちらも、初鰹と戻り鰹はほとんど同じといえます。

脂質の違い

一方で、初鰹と戻り鰹の違いは「脂質」で最も大きく現れます

初鰹の脂質は0.5g~1g(100gあたり)でヘルシーなのに対し、戻り鰹は100gあたり約6gも含んでおりその差は6倍~12倍にもなります。

理由は前述した通り、戻り鰹は一年かけてエサを食べて育った状態で漁獲されるので、身に脂肪が豊富に付いているからです。

初鰹と戻り鰹の栄養価で、最も大きな差があるのは「脂質」ということになります。

鰹を食べるなら、本場高知県で

高知の景色

鰹の名産地といえば、高知県です。

太平洋に面した高知でしか味わえない新鮮な鰹を、本場の藁焼きタタキで食べてもいいですし、刺身や海鮮丼で食べても格別です。

もし訪れる機会があれば、初鰹か戻り鰹が旬の時期を狙うことを強くおすすめします。高知県の鰹は通年美味しいですが、やはり旬の鰹は格別です。

やはり魚は本場で食べるのが一番。ぜひ、高知県への鰹ツアーを検討してみてはいかがでしょうか。

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初鰹と戻り鰹の違いを楽しもう!

ここまで紹介してきたように、初鰹と戻り鰹にはそれぞれ固有の特徴があり、それぞれ良さがあります。

1年のうち2度も旬を楽しむことができるので、ぜひそれぞれの違いを味わってみてください。

「同じ魚でこんなに違うのか」と感動すること間違いなしですよ。

 

ざっくりポイント
◯初鰹
時期:4月上旬~6月頃(春から初夏にかけて)
味:脂が少なく、さっぱりとしている
見た目:比較的小さい個体が多い
栄養価:カロリーが少なく、その分タンパク質を若干多く含んでいる
◯戻り鰹
時期:8月下旬~10月頃(初秋)
味:脂が多く、こってり濃厚な味わい
見た目:比較的大きい個体が多い
栄養価:カロリー・脂質が多く含まれている
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