【富山湾と氷見ブリ】なぜ富山県の寒ブリが有名になったのか?

魚の雑学
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寒ブリといえば富山県が有名です。

特に富山県氷見市の寒ブリは「氷見ぶり」としてブランド化されており、通常の寒ブリよりも美味しいと定評があります。

なぜ富山県の寒ブリは他の地域よりも美味しく、有名になったのでしょうか。

本記事では「富山県といえば寒ブリ」と言われるようになった背景を説明します。

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「富山県といえば寒ブリ」と言われ始めたきっかけ

富山県といえば寒ブリ、寒ブリといえば富山県といわれるほど、富山県の寒ブリは美味しいことで有名です。

しかしブリ自体は日本全国、寒ブリに限っては日本海側の広い地域で漁獲されているにもかかわらず、なぜ富山県が頭一つ抜きんでたのでしょうか。

その理由は、日本海最大の内湾である富山湾が大きく関わっています

ブリは回遊魚であるため、エサを求め春から夏にかけて北上し、冬には九州方面へ南下する習性を持ちます。

そしてこの南下してくる冬にかけて、エサを豊富に食べたブリは脂のノリがよく旬を迎え「寒ブリ」と特別な名前で称されます。

ですが幸か不幸か、多くのブリは九州へと南下する途中で海に突き出ている能登半島にぶつかってしまい、富山湾へと入り込んできます。

そのタイミングが丁度ブリの旬の時期であるため、最も美味しい時期に富山湾に流れ込んでくることになります。

それを富山県の主要なブリ漁法である「定置網漁」で漁獲することができるので、冬の富山県では美味しいブリが大量に水揚げできるようになりました。

ここから、旬の時期に大量のブリを漁獲できる富山県がブリの名産地として認知されることになりました。

氷見ブリの定義

さらに「氷見ブリ」ブランド化の成功が、富山県のブリが美味しいということを広める大きなきっかけとなります。

氷見で水揚げされた寒ブリの中で、一定の基準を満たしたものは「氷見ブリ」としてブランド化されます。

▼氷見ぶりの定義
・氷見魚ブランド対策協議会が指定した期間に獲れたブリ
・富山湾の定置網で捕れたブリ
・氷見漁港で競られたブリ
・重さ6kg以上であるブリ

氷見魚ブランド対策協議会が指定した期間とは、『ひみ寒ぶり開始宣言』から『ひみ寒ぶり終了宣言』までの期間を指し、寒ブリの大きさ・形・漁獲量が氷見ぶりの基準を満たし始めた頃に開始宣言が発表されます。

このように厳格な基準をクリアしたブリが「氷見ブリ」としての称号を得ることができ、通常の寒ブリよりもはるかに美味しいことで人気を獲得することができました。

立地と氷見ブリのブランド化

このように旬の時期に大量の寒ブリが流れ込んでくる富山湾を有する富山県が、さらに「氷見ブリ」のブランド化を成功させたことで、富山県といえば寒ブリと言われ始めることとなります。

今では現地にブリを食べに足を運ぶ人がいるほど名産地として浸透した富山県ですが、立地の良さを上手に活かした戦略が成功へと繋げることができました。

立地の良さに甘えることなくそれを上手く活かした富山県の戦略が成功した、ということになりますね。

 

ざっくりポイント
富山県のブリが有名になった背景は2点
①旬の時期に富山湾に流れ込んできたブリを、定置網漁で捕獲することができるため
②「氷見ブリ」のブランド化に成功したため
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