猫に魚を食べさせてあげる際、骨付きの魚を与えてはいませんか?
魚好きというイメージも強い猫ですが、実は骨付きの魚を与えることは猫にとってリスクが伴うことになります。
例えば飼い猫に魚を食べさせる時や野良猫(地域猫)にエサを与える時、できるだけ骨は取ってあげるようにしてください。
本記事では、猫が魚の骨を食べることに焦点を当てて、危険性・予防策・刺さった時の対処法について解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
・猫が魚の骨を食べる危険性について知りたい方
・喉に刺さってしまった時の症状と対処法を知りたい方
・骨が刺さるリスクを回避するためにできることを知りたい方
猫が魚の骨を食べる危険性について
猫が魚の骨を食べるのが危険理由は、喉に骨が刺さる可能性があるからです。
人間でも、魚を食べている時に骨が喉に刺さることは珍しくありません。その人間よりも、はるかに細い喉を持っている猫にとって、魚の骨を食べることは喉に引っかかる危険性が高いということになってしまいます。
そもそも猫は、犬などと比べてあごの力が弱く、かたいものを嚙み砕くことに長けていません。そのため、魚の骨であっても細かく噛み砕く前に飲み込んでしまいます。したがって、まだ鋭く尖った状態の骨が猫の喉に刺さる危険性が、犬などと比べて非常に高いということになるのです。
多くの方が、一度は魚の骨が喉に刺さった経験があるかと思います。その苦しみが分かるからこそ、猫には同じ苦しみをさせたくないと思いませんか。
魚の骨が喉に刺さった時によく出る症状
しかし、魚の骨を食べないように注意していたとしても、ついつい目を離した隙に飼っている猫ちゃんが食べてしまっていた、ということはあるかもしれません。
そんな時は、猫の様子を観察し、以下のような症状が出ていないか確認してください。
▼魚の骨が喉に刺さった時によく出る症状
・口が開いたままになっている
・よだれが垂れている
・嘔吐している、または何かを吐き出そうとしている
・口の周辺を気にする素振りをしている
上記のような症状・様子が見られるのであれば、魚の骨がのどに刺さっている可能性が高いです。
骨が喉に刺さっている様子を見せた時はどうすればいい?
普段と違う様子を見せており「骨が喉に刺さっているかも」と思った場合は、「すぐにとれるだろう」という考えを持たず、動物病院で診てもらうようにしてください。
また動物病院に行かずに応急処置として、頭を固定して喉の中を目視で確認し、ピンセットなどで引き抜くこともできますが、素人が行う処置では余計に喉を傷めてしまうことになりかねません。
猫など動物にとって最大の楽しみは食事です。その食事をするうえでとても重要な役割を持つのが喉なので、ぜひ丁寧に治療してあげてください。
必ず徹底を!魚の骨が刺さる前にできること
ここからは、魚の骨が刺さって後悔をしてしまう前にできる予防策を紹介します。
大切な猫のために、ぜひ以下3つを徹底していただけますと幸いです。
骨が付いた魚を放置しない・食べさせない
1つ目の予防策は、前提の話になりますが、骨が付いた魚を放置しない・食べさせないことです。
「魚が好きな猫だから」という理由で、骨が付いたままの魚はできるだけ食べさせないようにしてください。また特に調理中などには、骨付きの魚を放置したまま目を離さないようにしましょう。
細かい骨まで取り除いて食べさせる
2つ目の予防策は、魚を食べさせる際には細かい骨まで取り除くことです。
こちらは多少手間になってしまいますが、原因の元を除去できるため効果的といえます。またこの際、魚を焼く・茹でるなどの加熱処理をしておくと、身がほぐれて骨を取り除きやすくなるためおすすめです。
さらに補足すると、猫にとって生の魚を食べさせることは「寄生虫リスク」や「チアミン欠乏症リスク」が伴います。これらは加熱することで予防できるため、この観点からも焼く・茹でるといった処理はしてあげてはいかがでしょうか。
※魚を加熱するメリットについての詳細は、以下の記事をご覧ください。
骨が大きい魚は食べさせない
3つ目の予防策は、骨が大きい魚は食べさせないことです。
体が大きい個体の魚は同時に骨が大きい魚であるため、猫の細い喉に引っかかる可能性が高くなります。
もし与えるのであれば、例えば「煮干し」のようにできるだけ骨が小さく細い魚にしてあげましょう。その際、食べさせ過ぎには注意してくださいね。
「野良猫は骨も一緒に食べているのでは?」という疑問に対して
ここまでで、猫にとっての「骨」の危険性がご理解いただけたかと思います。
とはいえ、小動物を狩りながらたくましく生きている野良猫は、魚やネズミ、鳥などの骨を食べていないかというと、そうではありません。「骨があるから食べない」という考え方をしていては、野生の環境で生きていくことなどできません。
特に漁師町などでは、余った魚を求めてきた猫に魚を食べさせてあげることも多いです。その際、わざわざ骨を取り除いてあげているかというと、多くの場合がそうではないでしょう。
しかし、野良猫だから骨が刺さる危険性が0というわけではありません。魚を食べ慣れていない猫、喉がとても細い子猫、飲み込む力が衰えている老猫などにとっては、刺さる危険性はどうしても伴ってしまいます。
まずは猫にとって魚の骨は多少なりともリスクが伴うということを理解していただき、家庭猫・野良猫に関係なく魚を与える際には骨に注意してあげてください。
魚好きな猫でも骨には注意してあげよう
結論です。
野良猫などのように、狩りをしながら日々を生きているのであれば、多少の魚の骨は処理することに慣れています。(もちろん、リスクが0というわけではありません。)
一方で、キャットフード中心で「骨」に慣れていない家猫などに、骨が付いた魚を食べさせることは大きなリスクを伴います。
家猫に魚を与える際は、必ず骨の存在に注意するようにしてください。また、野良猫に魚を与える場合でも、できるだけ骨を取り除いてあげるか、骨が小さく細い魚にしてあげてください。
魚が好きでも骨の扱いには注意が必要な猫のために、我々人間ができることは最大限してあげましょう。
・猫が魚の骨を食べるのが危険な理由は、喉に骨が刺さる可能性があるから
・喉に骨が刺さった時の症状・様子が見られるのであれば、動物病院に診てもらう
・魚の骨が刺さる前にできることは以下3点
└骨が付いた魚を放置しない・食べさせない
└細かい骨まで取り除いて食べさせる
└骨が大きい魚は食べさせない
・野良猫はある程度骨の扱いに慣れているが、できるだけ骨を取り除いてあげるか、骨が小さく細い魚にしてあげる