【高知の幻の魚】メジカの新子とは?時期・食べ方・地域を解説

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高知県内の、とある地域の、ある時期でしか食べることができない幻の魚「メジカの新子」をご存知でしょうか。

通称「しんこ」とも呼ばれるその魚は、美味しさと話題性から年々注目を集めています。

本記事ではメジカの新子について、食べることのできる時期・地域、人気が高い理由、食べる際の注意点について解説します。

この記事がおすすめの方

・メジカの新子とは何かを知りたい方
・メジカの新子を食べたい方

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メジカの新子とは

氷の上で冷えているメジカの新子

メジカの新子とはソウダガツオの幼魚のことで、主に高知県内でのみ流通している極めて珍しい魚です。

「メジカ」は高知県の方言でソウダガツオのことを、「新子」は生後一年未満の魚のことを指します。

メジカの新子は消費期限が非常に短く、食べられる地域が限定されています。さらに漁のシーズン(旬)も短く、食べることが困難であることから『幻の魚』と称されることもしばしば。

ひと昔前までは扱いが困難なため、加熱して食べるのが一般的で、需要も低く格安で流通していました。しかし刺身の味が注目を集め、今では高額取引がされる場合もあります。

高知の魚といえば、かつお・うつぼ・金目鯛などが筆頭にあがりますが、近年ではそれらに並ぶほどの人気を獲得しつつある、話題性の高い魚です。

メジカの新子の時期

メジカの新子を食べられる時期は、基本的に8月~9月中旬(夏~初秋)までです。

この時期以外は、メジカのサイズが大きくなり食べられなくなるため、漁が行われません。

ただし若干の前後もあり、確実な旬の時期を特定するのが困難です。そういった意味でも、幻の魚といえるでしょう。

2023年のメジカの新子シーズン

2022年は例年よりも遅く漁が始まり、8月下旬~10月上旬ごろまでメジカの新子が水揚げされ、10月中旬に終了しました。

2023年は8月中旬以降、徐々に水揚げが始まり、メジカの新子の本場である久礼大正町市場では、8月19日からメジカシーズンが本格化。市場内の鮮魚店や露店での販売が始まりました。

ただし、水揚げがあるかどうかは当日の朝になって初めて分かるので、前日に電話しても確認できません。当日朝に確認を入れるようにしましょう。

メジカの新子が人気の理由

メジカの新子とぶしゅかん

メジカの新子が人気の理由は以下の3点です。

(1)もちもちの食感
(2)ぶしゅかんをしぼる食べ方
(3)限定性・希少性

それぞれ詳細に解説します。

もちもちの食感

“新子”の状態の魚は身の弾力が強く、かつ鮮度も抜群なので食感がもちもちしています。

嚙み切れないほどの弾力は、メジカの新子の最大の魅力といっても過言ではありません。

かつお、まぐろ、アジなどでは味わえない食感を楽しむことができます。

ぶしゅかんをしぼる食べ方

ぶしゅかん(仏手柑)とは、主に高知県内で流通する柑橘類です。キレのある酸味が特徴で、メジカの新子と同じく8月~9月頃に旬を迎えます。

メジカの新子には、ぶしゅかんを絞って食べるのが一般的。醤油に絞る場合と、刺身に直接絞る場合があり、地域や提供店舗によって様々です。

メジカの新子×ぶしゅかんは、一度食べればやみつきになるほど、さわやかな味わいを感じることができ、キンキンに冷えているほど美味しくなります。

限定性(希少性)

食べられる時期・食べられる地域が限定されており、希少性が高いのも魅力のひとつといえるでしょう。

食べるのが困難だからこそ、食べた時の感動は深まります。限定性もメジカの新子を人気者たらしめる要因です。

メジカの新子が食べられる地域

高知県内でも、メジカの新子が食べられる地域は主に2つに限定されています。

・中土佐町久礼
・須崎市

両者を比較しながら、解説していきます。

中土佐町久礼

久礼大正町市場

高知県中西部に位置する中土佐町久礼は、「かつおの一本釣りの町」として知られる漁師町です。

なかでも「久礼大正町市場」は、朝どれの新鮮な魚が並ぶ生鮮市場として、全国から観光客が訪れる人気スポット。この市場では、久礼の漁師さんが水揚げしたメジカの新子を食べることができます。

中土佐町久礼のメジカの新子は皮を除いて提供する、という特徴があります。

市場内では、シーズンになれば販売を開始する露店(2023年から「メジカ横丁」として一元化)が並び、そちらで購入すれば捌いたばかりのメジカの新子を食べることが可能。他にも市場内の店(山本鮮魚店や田中鮮魚店)でも提供する場合があります。

同時に名物かつおや、他の鮮魚も楽しむことができるので、メジカの新子を食べるなら最もおすすめの地域といえるでしょう。

ただしその人気の高さから、昼過ぎには売り切れることが珍しくありません。またシーズン中が行列ができ、1時間以上待つ場合もあります

どうしても食べたい場合には、7時頃~8時頃から待機しておくのがおすすめです。朝6時から待機している方もいます。

▼アクセス
・車の場合:高知市から高速で約40分
・JRの場合:高知駅から特急で50分

▼久礼大正町市場のアクセス
・土佐久礼駅から徒歩5分程度

須崎市

須崎駅

中土佐町久礼の隣町、高知県中西部に位置する須崎市も、メジカの新子の名産地です。

須崎市では皮付きでメジカの新子を提供する店舗が多いので、皮を除いて提供する中土佐町久礼との違いを楽しめます。

須崎市では居酒屋などでメジカの新子を食べることが可能です。須崎市の漁港で水揚げされたメジカの新子を食べられるので、鮮度には間違いありません。

毎年9月には「新子祭り」という、メジカの新子をメインとするイベントも開催されています。この時期に合わせて訪問するのも良いかもしれませんね。

▼アクセス
・車の場合:高知市から高速で30分
・JRの場合:高知駅から特急で40分

高知県の他の地域で食べることは可能?

中土佐町久礼や須崎市以外でも、メジカの新子を食べることは可能です。

例えば高知市の居酒屋では、シーズン中であれば中土佐町久礼や須崎市から仕入れたメジカの新子を提供している店舗が増えます。

水揚げ後すぐ食べられる中土佐町久礼や須崎市と比較して鮮度は落ちてしまいますが、美味しいのは間違いないでしょう。

メジカの新子の注意点

メジカの新子を一尾購入して、家で食べる方も少なくありません。

その場合、鮮度には徹底的に注意を払うようにしましょう。

メジカの新子は鮮度の落ちが早く、すぐに腐ります。消費期限は半日~1日以下ともいわれています。

鮮度が悪いメジカの新子を食べると、食中毒の危険が伴います。

特に「血合い」と「皮」の部分はあたりやすいので、できるだけ除いて食べるのがおすすめです。

夏限定!幻の魚「メジカの新子」は必ず食べよう

メジカの新子は取り扱いが難しいですが、中土佐町久礼や須崎市で提供している店舗はプロです。本当に美味しいメジカの新子を食べたいとお考えなら、本場まで足を運ぶのが良いでしょう。

「夏限定」「一部の地域限定」「売り切れごめん」…これらのハードルを乗り越えて食べるメジカの新子は格別です。

文字通り「幻の魚」を、ぜひ夏場になれば食べてみてはいかがでしょうか。

 

ざっくりポイント
・メジカの新子=ソウダガツオ(宗田鰹)の稚魚
・8月~9月中旬の夏限定で食べられる
・もっちりとした食感、ぶしゅかんで食べること、が人気の理由
・中土佐町久礼と須崎市が本場
・非常に鮮度が落ちやすく腐りやすいので取り扱いに注意
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