【刺身の語源・切り身との違い】なぜ薄く切った魚のことを「刺身」というのか?

魚の雑学
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私たちにとって馴染みある魚の食べ方「刺身」

ですが、なぜ何も刺していないのに「刺身」と言うのか、気になった方は多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、刺身の語源と、特に間違えやすい切り身との違いを紹介します。

刺身という言葉の由来は2つあるので、どちらも覚えておくといいですよ。

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刺身の語源①

例えば、かつおの刺身とまぐろの刺身が並べられていた場合、見た目だけで判断できますか?

食べてみると味が違うため分かりますが、見た目だけではどちらも似た魚であるため分かり辛いです。

原型をとどめない刺身は、見た目では判断できないものが多い。

そこでその昔、刺身を提供する際に見た目だけで判断がつけられるようにその魚の背びれを刺して提供していたといいます。

ここから、魚の身に背びれを刺して提供する料理として「刺身」と呼び始めました

こちらが、有力な刺身の語源の一つ目とされています。

ですが、現在は背びれを刺して提供されているのはほとんど見かけないですね。

おそらく背びれを刺されても、結局は区別がつかないことが多いからでしょう。

刺身の語源②

「切る」という言葉は武士の世の中では、「人を切る」や「切腹」などを連想させるため、縁起の悪い言葉とされていました。

ですが、生魚を切って提供する料理は室町時代前後から存在していたため、切るという言葉を含んだ「切り身」では縁起が良くない。

そこで、刺身を造る際には包丁をスッと刺していくように薄くしていくことから「刺身」呼ばれ始めたといわれています。

確かに、日本刀でスパッと切る様子と、刺身を切る様子は全く異なるため、「切る」よりも「刺す」という表現には納得できます。

こちらが、有力な刺身の語源、二つ目となります。

刺身の語源はどれが正解かは分からない

今回紹介したように語源が複数存在する刺身は、どれが正しいものかが分かっていません。

しかし、どちらの説も根拠がしっかりしているため納得はできます。

なので、「なんで刺身というのか?」という状態から、「刺身の説は複数あるが、どれも面白い説だ」という認識になれただけでもスッキリしたのではないでしょうか。

刺身と切り身の違い

しかし、「切り身」という言葉もあるのが事実。

どちらがどちらか分からない方も多いと思うので、違いを理解しておきましょう。

刺身も切り身も同じ「魚を切っている状態」であることに変わりありません。ですが、見た目には大きな違いがあります。

刺身と切り身には、定義上の区別はありません。

しかし一般的には、一口サイズにカットされているものが刺身大きな柵状にカットされているものが切り身とされています。

また、刺身は醤油やわさびなどにつけて食べることが多いですが、切り身は刺身状にカットすることも、焼き魚や煮つけ用にすることもできます。

薄く切ったものを刺身、柵状に大きく切ったものを切り身と認識しておいて間違いはないですよ。

 

ざっくりポイント
・語源①:刺身を提供する際に、見た目だけで判断がつけられるようにその魚の背びれを刺して提供していたことから「刺身」となった
・語源②:「切る」という言葉は武士の世の中では縁起の悪い言葉とされていたため、「刺す」という言葉を使い「刺身」となった
・刺身と切り身の違いは、薄く切っているか、柵状に大きく切っているか
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