魚は有名な産地で食べるのが一番美味しいと感じたことはありませんか?
そのように感じる理由としては、
・水揚げされたばかりの新鮮な魚が食べられるから
・「本場で食べている」という雰囲気によって、より美味しく感じるから
・その地域の人々の舌は肥えており、美味しくない店や食べ方は淘汰されていくから
の三点があるからではないでしょうか。
なので、当サイトを通してぜひみなさんに一番美味しい場所で魚を食べていただきたい。
こういう想いから始めた、日本の魚の名産地を紹介するシリーズ。
今回は縁起物として人気のある、めで”たい”魚「真鯛」を紹介します。
真鯛といえば愛媛県!
真鯛の名産地といえば、生産量日本一をほこる愛媛県です。
2017年時点で全国の真鯛生産量は計62,850tですが、その内愛媛県は34,767tを占めており、なんとシェア50%を超えています。
このデータから、日本の養殖の真鯛の2匹に1匹は愛媛県産ということが分かります。
さらに、愛媛県は1990年(平成2年)から真鯛の生産量1位を維持しており、県魚に真鯛を指定するほど。
日本では真鯛は縁起ものとして人気の高い魚であり需要も高い。それでも私たちが真鯛を食べることができているのは、愛媛県のおかげといえます。
ブランド紹介「愛鯛」
愛媛県で生産される真鯛の中でも、ブランド化されている真鯛があります。それが「愛鯛(あいたい)」です。
愛鯛は愛媛県の中でも、太平洋の黒潮が流れ込むリアス式海岸を有する宇和海の養殖場で育てられた真鯛を指します。
愛鯛のエサには、ビタミン・ミネラル群・脂質・たんぱく質を独自のバランスで配合した専用の飼料を使用しています。これにより、鮮度の落ちを通常の養殖マダイよりも約30%防ぐことが可能になり、全国各地で鮮度の良いマダイを食べることができます。
また愛鯛のストレス軽減を目的として、専用のいけすで約10%ほど数を少なくして飼育しているため、心身ともに健康になり無駄な投薬削減に繋げています。これにより、より安全な状態で食卓へ届けることが可能となります。
さらに出荷の際には全ての個体を確認して姿形の良いものだけを選別し、見た目も高品質な真鯛のみを出荷しています。
このような厳格な管理体制のもと養殖される愛鯛は、愛媛県を代表する真鯛のブランドとして、全国各地の飲食店で採用されています。
真鯛といえば愛媛県となった背景
愛媛県の真鯛が有名になった背景には、愛媛県の立地が大きく関わってきます。
瀬戸内海は鯛の宝庫と言われており、瀬戸内海に面している愛媛県ではもともと鯛に親しみがありました。
これに加えて、愛媛県は透明度が高く栄養素やミネラルを多く含む「宇和海」を有しており、この海が真鯛を養殖するには最適です。
さらに、1965年に愛媛県の瀬戸内海栽培漁業協会-伯方島営業所が、「ワムシ」というプランクトンを鯛に与えて稚魚育成に成功したことが全国の真鯛養殖を広めるきっかけを作り、”鯛養殖の盛んな地”としての地位を確立することとなりました。
愛媛県のタイの食べ方
鯛の名産地だからこそ、その土地の特別な食べ方があります。その中でも、代表的な「鯛めし」と「鯛そうめん」を紹介します。
鯛めし
鯛めしは愛媛県を代表する郷土料理です。
同じ愛媛県内でも2種類の鯛めしがあり、東予地域~中予地域で食べられる「松山鯛めし」と、南予地域で食べられる「宇和島鯛めし」があります。
◯松山鯛めし
松山鯛めしは、鯛を醤油やだしなどでご飯と一緒に炊き込むのが特徴。鯛とだしの海の香りを感じられる炊き込みご飯です。
◯宇和島鯛めし
宇和島鯛めしは、鯛の刺身と薬味を乗せたご飯に醤油ベースのだしと生卵をかけて食べるのが特徴。先にだしと鯛の刺身を混ぜてご飯にかけることもあります。
同じ鯛めしでもほとんど違う料理なので、愛媛県ではぜひ二つとも味わってください。
鯛そうめん
愛媛県の中でも特に中予から南予の地域でよく食べられる郷土料理です。
大皿に波のように並べたそうめんを敷き、甘めに煮付けた丸ごと一匹の鯛と、錦糸卵やネギなどの薬味を乗せているのが特徴。
鯛を一匹まるごと使うため縁起が良いとされており、祝いごとの際に食べられることが多い料理です。
家庭内で食べるのが一般的ですが、郷土料理を提供している飲食店ではコースに含まれていることもありますので、ぜひ食べてみてください。
おすすめの時期
愛鯛をはじめとする養殖真鯛は一年中安定して供給されているので「この時期に行かないと食べられない」といったものはありません。
ですが、特に美味しくなるのが2月後半~5月にかけての春とされており、この時期には天然真鯛も産卵前で旬を迎えます。
天然真鯛も養殖真鯛も美味しくなる時期は愛媛県も盛り上がってくるので、訪れるのであれば春を狙ってもいいかもしれません。