寿司のネタで馴染みのあるえんがわ。
特に近年の回転寿司チェーンの人気の高まりを受けて、私たちにとって親しみのあるものとなりました。
そんなえんがわですが、使われているのは多くがヒラメかカレイです。
この両者は見た目こそ似ていますが、生態系や身の味は全く異なるので、同様にえんがわの味も同じではありません。
そこで本記事では、ヒラメとカレイのえんがわの違いについて解説していきます
えんがわとは何か
えんがわとは魚の背ビレや尾ビレを動かす筋肉のことで、コリコリとした食感が人気を集めています。
語源は日本家屋にある「縁側」に見た目が似ていることから、そう名付けられたとされています。
えんがわは体の大部分を占める部位ではないため、魚一匹から寿司三~四巻分しか取れません。そのため、比較的高級部位として知られています。
またあまり知られていませんが、えんがわはヒラメやカレイだけではなく、タイやカワハギなど数種類の魚が有しています。
ヒラメとカレイのえんがわの違い
本題に入ります。ヒラメとカレイのえんがわは似ているようで大きく異なるので、それぞれ見ていきましょう。
身の質
まず、えんがわの身の質が異なります。
ヒラメとカレイは見た目こそ似ていますが、エサの対象が違うため行動量が違います。
カレイは基本的に虫や小さいエビをエサとしているので動き回る必要がなく、多くの場合海底でひっそり暮らします。
対してヒラメはアジなどの小魚をエサとするので、捕食するために動き回っています。
したがって、ヒラメはひきしまった筋肉が多い身体、カレイは脂肪が多く脂っこい身体をしており、えんがわも同様の身の質となります。
そのため、ヒラメのえんがわはコリコリした食感であることから、カレイのえんがわよりも人気が高いです。
また、筋肉質なヒラメは刺身などのように生で、脂っこいカレイは煮付けのように火を通す料理で食べるのが最適と言われているので、この面でもヒラメのえんがわが人気の理由はうなずけます。
価格
カレイはヒラメと比べて種類が豊富です。
そのためカレイは漁獲量が多く、広く安価で流通しています。
その分えんがわも多くとれることになるので、カレイのえんがわはヒラメのえんがわよりも安く仕入れて安く提供することができます。
寿司ネタに使われるえんがわはどっち?
上記から、ヒラメのえんがわは人気が高い割に流通量が少ないため高価格帯で提供されており、カレイのえんがわは流通量が多いことから安価で提供されています。
したがって、いやゆる回らない寿司といわれる本格的な高級寿司屋さんで提供される「えんがわ」はヒラメのもの、回転寿司チェーンで提供される「えんがわ」はカレイのものであることがほとんどです。
それでも、やはりえんがわを人気の部位にまで押し上げたのはヒラメのえんがわであるため、魚種を指定せず「えんがわ」とだけ書かれたものはヒラメのえんがわを指すのが一般的です。
“ホンモノ”のヒラメのえんがわを食べると?
回転寿司チェーンに親しみがある我々は、いわゆる代用魚としてカレイのえんがわを多くの場合食べています。
そこで一度だけでもいいので、 “ホンモノ” であるヒラメのえんがわを食べることをおすすめします。
高級寿司屋に行かなくても、例えばヒラメを一匹購入して捌いて食べるという方法があります。家族で楽しむ場合でも、丸々購入すればみんな食べられると思います。
もちろんカレイのえんがわも美味しいですが、また別の味覚への挑戦という形で、楽しんでみてはいかがでしょうか。
・えんがわとは魚の背ビレや尾ビレを動かす筋肉のこと
・ヒラメとカレイのえんがわの違いは①身の質と②価格の二点
・ヒラメのえんがわは人気が高い割に流通量が少ないため高価格帯で提供されている
・カレイのえんがわは流通量が多いことから安価で提供されてい
・一般的に「えんがわ」を指す場合は、ヒラメのえんがわのことを指す
・回転寿司チェーンでは、安価で仕入れることができるカレイのえんがわを使用している