みなさんは海水と淡水の違いを答えられますか?
「塩辛いかどうか」「海かそれ以外か」
こういった答えでも間違いではありません。
ですが、明確に定義された基準が存在しているので、本記事ではこちらを解説していきます。
海水と淡水が混ざり合う場所も名称があるので、あわせて覚えておくといいですよ。
海水と淡水の違い
まずは、海水と淡水の違いを明確にしておきます。
海水と淡水の定義上の違い、それは塩分濃度の差です。
塩分濃度とは水100gに溶けている塩の量を示す値のことで、海水と淡水ではそれぞれ異なります。
具体的には、海水の塩分濃度は約3.5%であるのに対して、淡水の塩分濃度は0.1%以下しかありません。
なので、水100gに塩を3.5g入れることで海水に近い水をつくることができる、ということになります。
海水と淡水の定義
一方で、塩分濃度3.5%の水を全て海水、塩分濃度0.1%以下の水を淡水と定義することは難しいといえます。
なぜなら、海水や淡水と同じ塩分濃度の水はどこにでもあり、しかも誰でもつくることができるからです。
例えば、塩分濃度0.1%以下のミネラルウォーターのことを「淡水」と呼ぶには違和感がありますよね。
そのため、海水は海を構成する塩分濃度3.5%の水と定義され、これ以外のものは「食塩水」となります。
加えて、淡水は川・湖などを構成する塩分濃度0.1以下の水と定義され、基本的に海水と並べる際に用いるものと認識しましょう。
これ以外のミネラルウォーターや水道水は「真水」と呼ばれます。
海水と淡水が混ざる場所の名称
海水と淡水は壁や陸で区切られているわけではなく繋がっています。
そのため、河口のように海水と淡水が繋がり混ざり合う場所があり、これを汽水と呼びます。
汽水は、海水と淡水の中間の水のことを指すため、海水の塩分濃度約3.5%と淡水の塩分濃度0.1%の中間が、汽水の塩分濃度となります。
また、汽水に住んでいる魚のことを汽水魚といいます。汽水魚について詳しく知りたい方は「【汽水魚とは】魚の中では珍しい汽水魚の種類・飼育方法を解説」をご覧ください。
海水・淡水・汽水の整理
それぞれの塩分濃度を整理すると【淡水<汽水<海水】となります。
海水魚・淡水魚という分類がある通り、どちらかでしか生きられない魚が多いため、これらの定義は明確にして覚えておきましょう。
・海水と淡水の違いは塩分濃度の差
・海水とは海を構成する塩分濃度3.5%の水
・淡水とは川・湖などを構成する塩分濃度0.1以下の水で、海水と並べる際に用いられる
・汽水とは海水と淡水の中間の水のこと