海に住んでいる哺乳類として知られるクジラ・イルカ・シャチ。
そんな見た目も名前も異なる三者ですが、どれも同じクジラの仲間であることをご存知でしょうか?
本記事では、こちらについて詳しく解説していきます。
クジラの分類
三者の違いに入る前に、クジラの生態に触れた方が理解がスムーズなので解説します。
クジラは哺乳類クジラ目に分類される海に住む哺乳類(海生哺乳類/海獣)で、ヒゲクジラ亜目とハクジラ亜目の2つのグループに分かれます。
ヒゲクジラ亜目とハクジラ亜目違いは主に3つあります。
1点目が、ヒゲクジラ亜目はひげ板を有しているが、ハクジラ亜目にはないこと。
2点目が、ヒゲクジラ亜目には歯がないが、ハクジラ亜目は歯を有していること。
3点目が、空気を吹き出す穴「噴気孔」がヒゲクジラは2つあるが、ハクジラ亜目は1つしかないこと。
例えば、世界最大の動物「シロナガスクジラ」はヒゲクジラ亜目に、歯のある動物として世界最大の「マッコウクジラ」はハクジラ亜目に分類します。
※詳細は「【クジラ2分類】ヒゲクジラ亜目とハクジラ亜目の違いを解説」をご覧ください。
クジラ・イルカ・シャチの違い
それでは本題に入ります。
結論から申し上げると、クジラ・イルカ・シャチは同じ「クジラ目」に分類され、その違いは体の大きさだけです。
上述した通り、クジラはヒゲクジラ亜目とハクジラ亜目に分けられ、その中でもハクジラ亜目に属するクジラで体が小さいものが、「イルカ」や「シャチ」と呼ばれることになります。
したがって、イルカとシャチは体の小さいクジラと覚えておきましょう。
「イルカ」と「クジラ」の関係
クジラ目ハクジラ亜目に属する生き物の中でも、体長約4m以下の小型なクジラを総称してイルカと呼びます。
体長を「約4m」としているのは、ここに明確な定義ではなく大雑把に4m以下くらいの個体をイルカと呼ぶことが多いからです。
このように学術的な分類がないため、地域や研究者などによりクジラとイルカを別のカテゴリーとして認識している場合もあります。
ですが、厳密にはクジラとイルカは同じ種であり、大きいものをクジラ・小さいものをイルカとするのが正しい見解です。
「シャチ」と「クジラ/イルカ」の関係
ハクジラ亜目に属するマイルカ科の中でも、シャチ属に該当する種を総称してシャチ(別名:サカマタ)と呼びます。
このようにシャチは、イルカと同様ハクジラ亜目に該当するのでクジラの仲間ですが、イルカ科にも該当するのでイルカの仲間でもあります。
イルカとの違いも体の大きさだけです。イルカは体長約4m以下のクジラを指すのに対して、シャチは体長4m~8mほどのクジラを指します。
クジラとイルカとシャチの分類まとめ
少し整理が難しいですが、まとめると以下の図のようになります。
こちらに示した通り、イルカもシャチもクジラの一部で、さらにシャチはクジラの一部でもありイルカの一部である、ということになります。
少し複雑ですが、整理できましたでしょうか?
・クジラ、イルカ、シャチの違いは体の大きさ
・クジラの中でも、体長4m以下の種をイルカと呼ぶ
・マイルカ科シャチ属に属する体長4m~8mほどの種をシャチと呼ぶ