水面積が7割以上を占める地球には、約25,000種類もの魚が生息していると言われています。
そこで本記事では、そんな魚の多種多様な面白い雑学・豆知識を40個厳選して紹介していきます。
全て覚えたらあなたも魚に詳しい人の仲間入り!
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・魚の雑学や豆知識をたくさん知りたい方
- 魚の雑学 (1):日本で「猫=魚」というイメージが定着した理由
- 魚の雑学 (2):赤身魚と白身魚の違い
- 魚の雑学 (3):海に住む魚が塩辛くならない理由
- 魚の雑学 (4):マグロやカツオが寝る時も泳ぎ続ける理由
- 魚の雑学 (5):青魚が青色と白色の理由
- 魚の雑学 (6):ウナギを刺身で食べない理由
- 魚の雑学 (7):ウナギのぬめりの正体
- 魚の雑学 (8):電気ウナギの発電の仕組み
- 魚の雑学 (9):チョウチンアンコウの提灯が光る仕組み
- 魚の雑学 (10):トビウオのだしを「あごだし」という理由
- 魚の雑学 (11):天然カツオに数%の確率で混ざるまずいカツオの正体
- 魚の雑学 (12):ふぐが丸く膨らむ理由
- 魚の雑学 (13):ふぐの刺身「ふぐ刺し」が薄い理由
- 魚の雑学 (14):ハリセンボンの針の数は何本か
- 魚の雑学 (15):深海魚が深海の水圧に潰されない理由
- 魚の雑学 (16):魚卵のいくら、すじこ、たらこ、数の子の親はどの魚か
- 魚の雑学 (17):魚の白子とはどこの部位なのか
- 魚の雑学 (18):海水魚が海で、淡水魚が川でしか生きられない理由
- 魚の雑学 (19):海と川の間に住む汽水魚とは
- 魚の雑学 (20):サケが産まれた川に戻ってくる理由
- 魚の雑学 (21):サケが海と川どちらでも生きられる理由
- 魚の雑学 (22):サケとシャケの違い
- 魚の雑学 (23):世界最大の魚と世界最小の魚
- 魚の雑学 (24):ヒラメとカレイの見分け方
- 魚の雑学 (25):イワシが群れで泳ぐ理由
- 魚の雑学 (26):しらすとちりめんじゃこの違い
- 魚の雑学 (27):水族館のサメが他の魚を食べない理由
- 魚の雑学 (28):クマノミがイソギンチャクの毒に刺されない理由
- 魚の雑学 (29):ネギトロの語源
- 魚の雑学 (30):料理にタコ墨よりもイカ墨が使われる理由
- 魚の雑学 (31):カニやエビを茹でると赤くなる理由
- 魚の雑学 (32):クジラが魚類に該当しない理由
- 魚の雑学 (33):川魚を生で食べてはいけない理由
- 魚の雑学 (34):近年のサンマ不漁の理由
- 魚の雑学 (35):外来魚が増加することが問題である理由
- 魚の雑学 (36):魚類が持つ浮き袋の役割
- 魚の雑学 (37):魚の血合いとは何か
- 魚の雑学 (38):潰すと苦くなる苦玉とは何か
- 魚の雑学 (39):鮮度の良い魚の見分け方
- 魚の雑学 (40):魚類を総称して「さかな」と呼ぶようになった経緯
- まとめ
魚の雑学 (1):日本で「猫=魚」というイメージが定着した理由
江戸時代まで日本は「魚食文化」で、牛肉や鶏肉を食べることはほとんどありませんでした。
そんな中、当時の将軍徳川綱吉が発令した『生類憐みの令』により国内で猫が急増。餌を求める猫に対して溢れていた魚を与えていたことから、「猫は魚が好き」というイメージが定着しました。
ちなみに海外では異なり、例えばチーズが有名なスイスでは「猫はチーズが好き」、パスタが主食のイタリアでは「猫はパスタが好き」というイメージが定着しています。
魚の雑学 (2):赤身魚と白身魚の違い
赤身魚と白身魚の違いは、筋肉100gの中に含む色素たんぱく質の量によって生じます。
具体的には、筋肉100gの中に色素タンパク質を10g以上含む魚を「赤身魚」、筋肉100gの中に色素タンパク質が10g以下の魚を「白身魚」といいます。
この色素たんぱく質はミオグロビンとヘモグロビンのことを指し、身を赤くする働きを持っています。そのため含有量が多い赤身魚の身は、赤い色をしているのです。
魚の雑学 (3):海に住む魚が塩辛くならない理由
塩分濃度の高い海に住んでいる海水魚ですが、その刺身って塩辛くならないですよね。
その仕組みとしては、①エラと腎臓を使って塩分を対外に排出している、②細胞膜が海水を体内に入れないように守っている、の2点が挙げられます。
魚でも塩分を摂りすぎると死んでしまうので、このような仕組みを活用して自身を守っているのです。
魚の雑学 (4):マグロやカツオが寝る時も泳ぎ続ける理由
マグロやカツオは寝る時も泳ぐことを止めない魚です。
泳ぎ続ける理由の1つ目は、酸素を体内に取り込むためです。マグロやカツオはエラ呼吸ができないため、泳ぎながら口から水と酸素をエラへ送り込む「ラムジュート換水法」で呼吸します。したがって、もし泳ぐことを止めてしまうと、呼吸ができなくなるため死んでしまうのです。
泳ぎ続ける理由の2つ目は、沈んでしまわないためです。魚は浮き袋の空気を調整して沈まないようにしますが、マグロやカツオの浮き袋は発達していません。そのため泳ぎを止めることができないのです。
魚の雑学 (5):青魚が青色と白色の理由
サバ・アジ・イワシなど青魚は、決まって背中が青色でお腹が白色なのは疑問じゃないですか?
これは外敵から身を守るための保護色で、背中の青色は海の上から見た時に海の色と同化し目立たなくさせるためです。この保護色は鳥などを対象としています。
対してお腹の白色は、自身よりも下にいる外敵が見上げた時に、太陽光で輝く海の白色と同化させ隠れるためです。
じゃあ横から見たらどうなるのか。その場合は逆に目立つので食べられてしまうでしょう。
魚の雑学 (6):ウナギを刺身で食べない理由
ウナギといえば「かば焼き」や「ひつまぶし」ですが、刺身など生で食べることはほとんどありません。
これはウナギの血液には毒(イクシオトキシン)が含まれており、加熱処理をしない限り完全に取り除くことが困難だからです。
職人さんが毒を除去すれば刺身で食べることも可能ですが、嘔吐・下痢・口内の痺れなどのリスクがあるためほとんどの飲食店は提供していません。
魚の雑学 (7):ウナギのぬめりの正体
ウナギを持つとぬるぬるしますよね。その正体は、ムチンという糖を含むたんぱく質です。
ムチンを分泌させているのは、 ①皮膚呼吸をするため、②浸透圧を調整するため、③捕まったときに逃げるため、の3つが理由と言われています。
またムチンは毒なので、致死性はありませんが口に含んだり傷口に入ると危険です。注意しましょう。
魚の雑学 (8):電気ウナギの発電の仕組み
電気ウナギは細胞膜の内側と外側で「膜電位」という電位の差を生み出すことで発電させています。
しかし、膜電位は単体では微量の電気しか生み出しません。そこで電気ウナギは体の大部分を占める特殊な筋肉を活用し、微量な電圧を加算させていくことで最終的に強い電圧へと変化させます。
加えて、電気ウナギの脂肪は電気を通さない絶縁体の役割を持っているため自身が感電することはありません。さすがはアマゾン川の弱肉強食の頂点に立つ生き物です。
魚の雑学 (9):チョウチンアンコウの提灯が光る仕組み
チョウチンアンコウは釣竿のような長い背びれ(これを誘引突起といいます)を持ち、その先端に発光バクテリアを集めることで光を発しています。
この先端部分をエスカといい、バクテリアを培養させることができます。そしてここにかくまってもらう形で発光バクテリアは住み、集まったバクテリアが大きな光になります。
一方、チョウチンアンコウはエスカを発光させることで、光に寄ってくる小魚を捕食することができるメリットを持ちます。自家発電ではないということをおさえておきましょう。
魚の雑学 (10):トビウオのだしを「あごだし」という理由
トビウオから取るだしのことを「あごだし」といい、昆布だしやかつおだしに並んで人気の高いだしとなっています。
トビウオのだしを「あごだし」という由来は、九州地方でトビウオを「あご」と呼ぶ方言からきています。
ちなみにあごの由来は、「あごが落ちるほど美味しいから」「トビウオはあごが飛び出ているから」など諸説あります。
魚の雑学 (11):天然カツオに数%の確率で混ざるまずいカツオの正体
天然のカツオには数匹~数十匹の割合で血生臭い個体が混ざっていることがあり、このカツオを「ごし鰹」といいます。
ごし鰹は外見で判断することができず、さばいてみないと分かりません。加えてごし鰹となる理由も判明していない、とても厄介な存在です。
ごし鰹の扱いは店舗によって異なり、そのまま提供する店もあれば焼き節などに加工して販売する店もあります。とても不味いカツオにあたれば、もしかしたらそれはごし鰹かもしれません。
魚の雑学 (12):ふぐが丸く膨らむ理由
丸く膨らむ姿がかわいいと人気の高いふぐですが、決してかわいいアピールしているわけではありません。
ふぐが膨らむのは外敵から身を守るための自己防衛で、「通常よりも大きく膨らむことで威嚇できる」「外敵が呑み込めない大きさになることで捕食対象から逃れる」といった目的があります。
他にも何かしらのストレスを感じた時に膨らむこともありますが、こちらの条件については詳しく分かっていません。
魚の雑学 (13):ふぐの刺身「ふぐ刺し」が薄い理由
マグロやカツオの刺身と比較すると、ふぐの刺身は皿の模様が透けて見えるほど薄いですよね。この理由はふぐの身質が大きく影響しています。
ふぐは丸く膨らむために、内臓を守る役割を果たす「あばら骨」を有していません。その代わり、硬い身で自信を覆うことで内臓を守っています。
そのため通常サイズの大きさで刺身にすると噛み切ることができないので、ふぐの刺身は薄く盛り付けがされているのです。決してケチという理由で薄いわけではありませんよ。
魚の雑学 (14):ハリセンボンの針の数は何本か
ハリセンボンは漢字表記では「針千本」となりますが、実は350本~400本ほどしか針を体にまとっていません。
したがって、実際に針を1000本集めるためにはハリセンボンを3匹ほど集める必要があります。
昔の人がハリセンボンを見た時にざっと1000本あるように見えたから、そう名付けたのでしょうか。
魚の雑学 (15):深海魚が深海の水圧に潰されない理由
深海とは水深200m以上深い海域のことを指し、水圧は約20気圧にもなります。これは生身の人間であればぺしゃんこになってしまいます。
ではなぜ深海にすむ魚は水圧に潰されないのかというと、その体が筋肉・脂肪・血液で隙間なく満たされているためです。
人間の体の中には空洞がたくさんありますが、深海魚には空洞がありません。したがって、水圧がどれだけかかっても潰れることがないのです。
魚の雑学 (16):魚卵のいくら、すじこ、たらこ、数の子の親はどの魚か
よく食べられる魚卵の親は、それぞれ下記です。
・いくらの親=サケ科の魚
・すじこの親=サケ科の魚
・たらこの親=タラ
・数の子の親=ニシン
またいくらとすじこの違いは、いくらは卵巣膜を取り除き1粒1粒バラバラにしたもので、すじこは卵巣膜を取り除いていないものです。
魚の雑学 (17):魚の白子とはどこの部位なのか
魚の白子とは、オスの精巣のことです。
白子を有する人気の高い魚はタラ・フグ・サケで、白子ポン酢などを食べたことがある方も多いのではないでしょうか。
高たんぱく・低カロリーでヘルシーなことに加えて、ビタミンB群を多く含む白子は美肌効果もあるため、特に女性におすすめしたい食べ物です。
魚の雑学 (18):海水魚が海で、淡水魚が川でしか生きられない理由
魚と水の間には、低濃度の溶液が高濃度の溶液へと流れ込む力である「浸透圧」が働いています。
これにより海水に住む魚は体液が体の外に出て行ってしまうため、海水を飲んでそこに含まれる塩分を外に出しながら水分を蓄える機能を有しています。
対して淡水に住む魚は体液が体の中に入ってくるため、尿で体の外に水分を排出する機能を有しています。
この機能を「浸透圧調整」といい、ほとんどの魚はどちらかの調整機能しか有していないため、海か川のどちらかでしか生きていけないのです。
魚の雑学 (19):海と川の間に住む汽水魚とは
海水と淡水の中間にある水域のことを「汽水」といい、ここに住むことができる魚を「汽水魚」と言います。
汽水魚は常に汽水域で生きているわけではなく
①主に海水域に生息しているが汽水域に侵入することがある魚
②主に淡水域に生息しているが汽水域に侵入することがある魚
③主に汽水域で生息している魚
の3種類が存在しています。
また汽水魚に該当する魚としては、ボラ・スズキ・ハリセンボン・クロダイなどがよく知られています。
魚の雑学 (20):サケが産まれた川に戻ってくる理由
サケが産まれた川に戻ってくることを「母川回帰」といい、これはサケの遺伝子に組み込まれた習性です。
サケは川で産まれた後は成長するためにエサが豊富な海へ移動しその後に母川回帰をするのですが、その目的は海よりも安全な川で産卵をするためと言われています。
また、川の中でもより外敵が少ない上流を目指してボロボロになりながら遡上を続け、無事たどり着けた場所でオスとメスが生殖活動をします。
産卵の時期になるとサケの遡上は名物の1つとなりますが、産まれた川に帰って来られるのはなんと全体の約1%以下。サケにとって子孫を残すことは、文字通り命をかけた戦いなのです
魚の雑学 (21):サケが海と川どちらでも生きられる理由
ほとんどの魚は浸透圧の関係で海か川どちらかでしか生きられませんが、サケは淡水魚に属しながら海でも生きていくことができます。
その理由は淡水魚の浸透圧調整機能に加えて、海水魚が持つ塩分を体外に排出するエラの機能も有しているからです。
この特異な体を持っているため、川→海→川といったように生きていく場所が変わっても死なずにいられるということになります。
魚の雑学 (22):サケとシャケの違い
実は「サケ」と「シャケ」に違いはなく、どちらで呼んでも問題ありません。
このように分かれたきっかけとして、「江戸時代の人が”さしすせそ”の発音が苦手だったから」「生をサケ、加工したものをシャケというようになった」などがありますが、定説もありません。
辞書の読み仮名には「サケ」と載っていますが、鮭は「シャケ」と読む人の方が多いというデータもあります。好きな読み方を使いましょう。
魚の雑学 (23):世界最大の魚と世界最小の魚
よく耳にする見解として「世界最大の魚はシロナガスクジラ、世界最小の魚はクリオネ」がありますが、これは間違いです。
正しくは、世界最大の魚はジンベエザメ(成体:体長10m前後)、世界最小の魚はドワーフ・フェアリー・ミノー(成体:体長8mm)です。
シロナガスクジラは哺乳類、クリオネは裸殻翼足類という貝類の仲間に該当するので、魚類に該当しないことを覚えておきましょう。
魚の雑学 (24):ヒラメとカレイの見分け方
ヒラメとカレイは「目の向き」と「口の形」で見分けます。
目の向きで見分ける際はヒラメが左向き・カレイが右向きで判断し、「左ヒラメに右カレイ」と覚えましょう。
口の形で見分ける際は、ヒラメは大きい口と鋭利な歯・カレイは小さいおちょぼ口と覚えましょう。
ちなみに目の向きは例外があるので、確実な口の形で見分ける方法をおすすめします。
魚の雑学 (25):イワシが群れで泳ぐ理由
水族館でも高い人気を誇るイワシの群れ。そんなイワシが群れで泳ぐ理由は、外敵から身を守るためです。
小さい体のイワシでも一か所に集まれば大きな生き物に見せかけることができます。すると小さい魚を狙う外敵の捕食対象から逃れることができます。
また、大群に紛れて自分自身が食べられる可能性を減らすことにも繋がります。1匹1匹が弱くても、協力して戦えばまさに多勢に無勢ということですね。
魚の雑学 (26):しらすとちりめんじゃこの違い
よく混同してしまう「しらす」と「ちりめんじゃこ」の違いは、加工段階と水分量の差です。
加えて、しらすは「生しらす」「釜揚げしらす」「しらす干し」の3種類に分けられます。以下を参照ください。
・生しらすとは、水揚げされた状態のままのしらすのこと
・釜揚げしらすとは、「生しらす」を塩茹でしたもの
・しらす干しとは、「釜揚げしらす」を乾燥機械や天日干しで乾燥させた、水分量約60~70%のしらすのこと
・ちりめんじゃことは、「釜揚げしらす」を乾燥機械や天日干しで乾燥させた、水分量約30%~50%のしらすのこと
魚の雑学 (27):水族館のサメが他の魚を食べない理由
水族館のサメが他の魚を食べない理由は、与えられたエサでお腹が満たされているからです。
つまり水族館にサメを入れると性格が変わっておとなしくなったのではなく、他の魚を狙う必要性がない環境にいるからなんです。
そのため仮にエサを与えなくなれば、お腹がすいたサメは生きていくために他の魚を捕食します。一緒に入れられている魚はたまったもんじゃないですね。
魚の雑学 (28):クマノミがイソギンチャクの毒に刺されない理由
クマノミがイソギンチャクの毒に刺されない理由は、クマノミの体から分泌される粘液をイソギンチャクが毒で刺す対象としないからです。
イソギンチャクが毒を発射するのには条件があります。その条件とは「海水よりもマグネシウム濃度が低いものに対してのみ発射する」です。
対してクマノミの体からは、海水よりもマグネシウム濃度が高い特殊な粘液が分泌されているため、クマノミは毒を発射する条件に該当しないのです。
魚の雑学 (29):ネギトロの語源
ネギトロの語源は「野菜のネギ」と「マグロのトロ」ではありません。
正しい語源は、骨の周辺に付いた身を削り取るという意味を持つ「ねぎ取る」が転じて「ネギトロ」となったと言われています。
また、この「ねぎ取る」は住宅を建築する際に地面を削って掘る「値切り」を由来としており、【値切り→ねぎ取る→ネギトロ】と変化していきました。
魚の雑学 (30):料理にタコ墨よりもイカ墨が使われる理由
イカ墨パスタのようにイカ墨を使った料理は見かけますが、タコ墨を使った料理はあまり見かけないですよね。その理由は「墨の質の違い」と「墨の量の違い」に起因します。
墨の質の違いに関しては、タコ墨よりもイカ墨の方が粘り気が強く、料理によく絡むためイカ墨が料理に適しています。
墨の量の違いに関しては、1匹からとれる墨の量がタコよりもイカの方が多いため、安価で仕入れることができるイカ墨が料理に適しているということになります。
一方でタコ墨料理が無いわけではありません。しかし、非常に高価であるため広く親しまれていないのです。
魚の雑学 (31):カニやエビを茹でると赤くなる理由
カニやエビは海の中では赤色じゃないのに、茹でたり熱したりすることで体が赤くなりますよね。その理由は、赤い色素が体の表面に現れるからです。
このアスタキサンチンは生きている時はたんぱく質と結びつき、灰色や青色の色素であるカロテノプロテインという物質となっているので殻は赤色に見えません。
ですが茹でたり熱したりすることでアスタキサンチンとたんぱく質が分離し、分離したアスタキサンチンが空気中の酸素と結びついて酸化することで真っ赤な色素に変わります。
つまり「熱することで赤くなる」というよりは「隠れていた赤い色素が表に現れる」というのが正確な表現となります。
魚の雑学 (32):クジラが魚類に該当しない理由
クジラは姿かたちが魚に似ている点や海に生息している点から魚と勘違いされやすいですが、実は私たちと同じ哺乳類です。
その大枠の違いは以下の3つです。
・魚類はエラ呼吸、クジラは肺呼吸をする
・魚類は卵生で子育てを、クジラは胎生で子育てをする
・魚類は変温動物、クジラは恒温動物である
これらのクジラの特徴は全て哺乳類と同じであるため、クジラは哺乳類だと分かります。
人間とクジラが同じ哺乳類というのは、にわかに信じがたい事実ですよね。
魚の雑学 (33):川魚を生で食べてはいけない理由
川魚って塩焼きがてっぱんで、あまり生で食べないですよね。
それはほとんどの川魚が体内に寄生虫を有しており、食べると寄生される可能性が高いことが要因です。
川は海よりも塩分濃度が低く寄生虫が生息しやすい環境なので、虫や貝を宿主とする寄生虫を食べた川魚の体内に移ってしまうんです。絶対に川魚の生食はやめましょう。
魚の雑学 (34):近年のサンマ不漁の理由
近年サンマの不漁が続いており、1匹あたりの価格も高騰することが増えてきました。
その理由は、主に「温暖化に伴う海水温の上昇」と「外国船のサンマ漁への参入」が大きいと言われています。
特に海水温上昇によってサンマの回遊ルートが変わりつつあることは、今後の日本のサンマ漁にとっても大きな打撃といえるでしょう。
魚の雑学 (35):外来魚が増加することが問題である理由
外来魚が国内で増加することによる問題は、在来魚の生態系バランスが崩壊してしまうことです。
具体的には「外来魚が入り込んでくる→食べるものが無くなった在来魚Aが絶命する or 在来魚Aが食べられる→在来魚Aをエサとするその他の生き物にも影響を及ぼす」という負の連鎖が起きてしまいます。
つまり外来魚の侵入はその地域の食物連鎖を狂わせてしまい、本来いた魚たちが生活できなくなるのです。
魚の雑学 (36):魚類が持つ浮き袋の役割
多くの魚類が持つ浮き袋の役割は、中に気体を溜めたり出したりして浮力調整をすることです。
魚の体は水の密度よりも大きく浮き袋に空気を溜めないと沈んでしまうため、浮力調整をしてはじめて水中を自由自在に泳ぐことができます。
その他、ホウボウなどは浮き袋を振動させて音を出しており、浮力調整以外の役割を持つこともあります。
魚の雑学 (37):魚の血合いとは何か
魚は血合いと呼ばれる部分を有しており、これは魚の筋肉を指す場合と腎臓を指す場合の2パターンがあります。
魚の筋肉を指す場合は、身の中でも赤い色素たんぱく質が多く濃い赤色になっている箇所のことをいいます。
魚の腎臓を指す場合は、背中とお腹の間の骨に沿ってある濃い赤色の箇所のことをいい、魚関連の業界で「血合い」というと一般的にこちらを対象とすることが多いです。
魚の雑学 (38):潰すと苦くなる苦玉とは何か
魚の「苦玉」とは胆のうのことを指します。
名前の由来は文字通り潰すと非常に苦い玉であることから付けられました。
身に付着すると苦みを取ることが難しくなるので、さばく際には注意が必要です。
魚の雑学 (39):鮮度の良い魚の見分け方
魚は鮮度が命といっても過言ではなく、鮮魚店やスーパーなどで鮮度の良さを見抜く能力を求められることがあります。
基本的な見分け方としては、見た目で判断・においで判断・触って判断・店員さんに聞いて判断の4つがあります。
まずは店員さんと相談しながら、最終的には自分で判断できるようになるには知識が必要なので訓練しましょう。
魚の雑学 (40):魚類を総称して「さかな」と呼ぶようになった経緯
「さかな」の語源は酒のつまみを指す「酒菜」といわれています。
もともと酒菜は魚類だけでなく肉や野菜も対象とする言葉でしたが、一番多く魚がつまみとして親しまれていたので、そこから転じて魚類に「さかな」があてられました。
今では魚類を指す言葉は”さかな”が一般的になりましたが、それまでは「とと」や「うお」と呼ばれていたようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
知らなかったことが多くても、これらをおさえておけば基礎的な知識は習得できたといえるでしょう。
日本は海に囲まれた島国ということもあり、寿司など魚に関する文化が数多くございます。
ぜひこれをきかっけに魚に興味を持っていただき、魚の魅力に気付く人が増えてくれると幸いです。